格言聯璧 / 接物類・靜坐して常に己の過ちを思ふ
頑石之中,良玉隱焉! 寒灰之中,星火寓焉! 靜坐常思己過,閑談莫論人非。 對癡人莫說夢話,防所誤也。 見短人莫說矮話,避所忌也。
新字:頑石之中,良玉隠焉! 寒灰之中,星火寓焉! 静坐常思己過,閑談莫論人非。 対痴人莫説夢話,防所誤也。 見短人莫説矮話,避所忌也。
書き下し
頑石の中にも、良玉隱る。 寒灰の中にも、星火寓る。 靜坐しては常に己の過ちを思ひ、閑談しては人の非を論ずる莫かれ。 癡人に對して夢話を說く莫かれ、誤る所を防ぐなり。 短人を見て矮話を說く莫かれ、忌む所を避くるなり。
現代語訳
ごつごつした石の中にも、良い玉が隠れています。 冷えた灰の中にも、小さな火種が宿っています。 静かに座っているときは、いつも自分の過ちを思い、雑談のときには、人の過ちを論じてはいけません。 愚かな人に夢の話をしてはいけません。真に受けて誤るのを防ぐためです。 背の低い人を見て低いことを話題にしてはいけません。相手の嫌がることを避けるためです。
解説
初めの対句は、見かけの冴えない人の中にも、良い資質や再起の力が潜んでいることを、頑石の中の玉、寒灰の中の火種で示します。人を見限ることへの戒めとして読めます。三句目は、日本でもよく知られた対句で、静坐のときは己の過ちを思い、閑談のときは人の非を論ずるなと言います。一人の時間は自分を省みるために、人との時間は人を責めないためにという使い分けです。最後の二句は、相手に応じた言葉の選び方で、愚かな人に夢の話をすれば真に受けて誤り、背の低い人の前で低さを話題にすれば傷つけると戒めます。痴人に夢を説くという言い回しも、ここに通じます。何気ない雑談にも、相手を思う配慮が要ることを教えてくれる一則です。
この章句が説くこと
自省慎言接物思いやり修身
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