酔古堂剣掃 / 集素・逆を以て心を煉れば心定まる
以儉勝貧,貧忘;以施代侈,侈化;以省去累,累消;以逆煉心,心定。
新字:以倹勝貧,貧忘;以施代侈,侈化;以省去累,累消;以逆煉心,心定。
書き下し
儉を以て貧に勝てば、貧忘る。 施を以て侈に代ふれば、侈化す。 省を以て累を去れば、累消ゆ。 逆を以て心を煉れば、心定まる。
現代語訳
倹約によって貧しさに打ち勝てば、貧しさを忘れられます。施しによって贅沢に代えれば、贅沢の心は消えていきます。簡素にすることで煩いを取り除けば、煩いは消えます。逆境によって心を鍛えれば、心は定まります。
解説
四つの困りごとを、それぞれに合った方法で乗り越える道を示した一則です。貧しさには倹約で対し、そうすれば貧しさそのものが気にならなくなります。贅沢に使いたくなるお金を人への施しに回せば、贅沢の欲は自然と姿を変えます。累は身にまとわりつく煩いで、物事を省けば消えていきます。逆は逆境のことで、思うようにならない事態を、心を鍛える炉として使えば、心は揺らがなくなります。いずれも、困りごとから逃げるのではなく、それを転じて良いものに変えるという積極的な発想です。自分の抱える不足や煩いを、どう転じられるかを考えるきっかけになります。
この章句が説くこと
倹約逆境修身施し清貧
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