菜根譚 / 前集
鷹立如睡,虎行似病,正是他攫鳥噬人法術。故君子要聰明不露,才華不逞,纔有任重道遠的力量。
書き下し
鷹の立つは睡るが如し。虎の行くは病めるに似たり。正に是れ他の鳥を攫(つか)み人を噬(か)むの法術なり。故に君子は聡明を露わさず、才華を逞しくせざるを要す。纔めて任重く道遠きの力量有り。
現代語訳
鷹が立つ姿は、眠っているようだ。虎が歩く姿は、病んでいるようだ。まさにそれが、鳥を掴み人を噛む術である。だから君子は、聡明さを露わにせず、才能を誇示しないことが必要だ。それでこそ、任重く道遠い力量がある。
解説
鷹が眠るように立ち、虎が病んだように歩くのは、獲物を油断させるための術です。この一節は、真に力を持つ人は、その才能や能力をひけらかさないことを教えています。日々の仕事や人間関係において、自分の知識やスキルを安易に誇示せず、控えめな姿勢でいること。そうすることで、周囲からの信頼を得られ、本当に重要な局面でこそ、その秘めたる力を発揮できるものです。表面的な華やかさよりも、内なる実力と深慮が、困難な道を歩むための真の力となります。
この章句が説くこと
鷹立如睡虎行似病君子要聡明不露才華不逞