素書 / 『素書』衰えは下から始まる
足寒傷心、人怨傷國、山將崩者下先隳、國將衰者人先弊。根枯枝朽、人困國殘。與覆車同軌者傾、與亡國同事者滅。見已生者慎將生、惡其跡者須避之。畏危者安、畏亡者存。
新字:足寒傷心、人怨傷国、山将崩者下先隳、国将衰者人先弊。根枯枝朽、人困国残。与覆車同軌者傾、与亡国同事者滅。見已生者慎将生、悪其跡者須避之。畏危者安、畏亡者存。
書き下し
足寒ければ心を傷め、人怨めば国を傷る。山将に崩れんとする者は下先ず隳れ、国将に衰えんとする者は人先ず弊る。根枯れて枝朽ち、人困しみて国残わる。覆車と轍を同じくする者は傾き、亡国と事を同じくする者は滅ぶ。已に生ずるを見ては将に生ぜんとするを慎み、其の跡を悪む者は須く之を避くべし。危うきを畏るる者は安く、亡ぶを畏るる者は存す。
現代語訳
足が冷えれば心を傷め、民が怨めば国を傷めます。山がまさに崩れようとするときは麓がまず崩れ、国がまさに衰えようとするときは人がまず疲弊します。根が枯れて枝が朽ち、民が苦しんで国が損なわれます。覆った車と同じ轍をたどる者は傾き、滅んだ国と同じことをする者は滅びます。すでに起きたことを見て、これから起きようとすることを慎み、その足跡を憎むなら、その跡を避けなければなりません。危うさを恐れる者は安らかで、滅びを恐れる者は存続します。
解説
衰えは頂ではなく、足元や麓、つまり現場の疲弊から始まる、という指摘です。足が冷えると心臓に響くように、人の怨みが国を傷める。山は麓から崩れ、枝が朽ちるのは根が枯れたからだとも言います。ここで国を民と読めば、今の会社での現場の消耗や不満が最初の警報だと言い換えられます。後半の「覆車と轍を同じくする者は傾く」は、失敗事例に学ぶ姿勢を促し、最後の「危うきを畏るる者は安し」は、恐れを持つ慎重さが安全を生むと述べます。数字に出る前の現場の兆しを拾えているかが問われます。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
現場人怨根枝覆車の轍畏危畏亡
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