孫子 / 九地篇
是故其兵不修而戒,不求而得,不約而親,不令而信。禁祥去疑,至死無所之。
書き下し
是の故に其の兵は修めずして戒め、求めずして得、約せずして親しみ、令せずして信ず。祥を禁じ疑いを去れば、死に至るまで之く所無し。
現代語訳
だからそういう軍は、言わなくても警戒し、求めなくても働き、約束しなくても親しみ合い、命令しなくても信じ合う。迷信を禁じ疑いを取り除けば、死ぬまで動じることがない。
解説
前段を受けて、極限状況にある部隊がどうなるかを描いている。四つの「〜せずして」が並ぶさまは、管理を必要としない組織の理想像でもある。命じなくても動く状態は、統制が完璧だから生まれるのではなく、全員が同じ状況を共有しているから生まれる。管理を厚くするほど自発性が落ちるという逆説を、孫子は状況の側から説明した。後半の「祥を禁じ疑いを去る」——占いや噂を断ち、疑心を取り除くという指示は、情報の統制がそのまま士気の管理であることを示している。
この章句が説くこと
自発性統制信頼噂士気
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『墨子』號令城禁。卒民をして寇の微職和旌を欲せざらしむる者は、斷ず。令に従わざる者は、斷ず。擅に令を出だすに非ざる者は、斷ず。令を失う者は、斷ず。㦸を倚せ縣けて城せず、上下、衆と等しからざる者は、斷ず。應ずる無くして妄りに讙呼する者は、斷ず。總べて失う者は、斷ず。客を譽め内を毁る者は、斷ず。署を離れて聚語する者は、斷ず。城鼓の聲を聞きて伍し、後れて署に上る者は、斷ず。
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『墨子』迎敵祠凡そ守城の法、縣師、事を受け、葆を出だし、溝防を循り、薦を築き塗を通じ、城を脩む。百官、財を共にし、百工、事に即き、司馬、城を視て卒伍を脩む。守門を設く。三人、右閹を掌り、二人、左閹を掌り、四人、閉を掌る。百甲、之に坐す。城、步を止むるに一甲・一㦸、其の賛三人。五步に五長有り、十步に什長有り、百步に百長有り、旁らに大率有り、中に大将有り、皆な司吏・卒長有り。城上、階に當たるに、司、之を守り、中處の澤に移して急ぎ之を奏す。士、皆な職有り。城の外、矢の還る所は其の牆を壊ち、以て客の菌と為すこと無かれ。三十里の内、薪・蒸・水、皆な内に入る。狗・彘・豚・雞、其の□を食らい、其の骸を斂めて以て醢腹と為し、病む者、以て起つ。城の内、薪蒸廬室、矢の還る所は皆な之が涂菌を為す。命じて昏に狗を緯ぎ馬を纂ぎ、掔緯せしむ。静夜、鼓聲を聞きて謲す。客の氣を閹ぐ所以なり、民の意を固くする所以なり。故に時に謲すれば則ち民、疾まざるなり。
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『墨子』號令守樓は質宫に臨みて善く周し、必ず宻に樓を塗り、下をして上を見る無く、上は下を見、下は上に人有ると人無きとを知る無からしむ。守の親しく舉ぐる所の吏の貞亷忠信にして害無く事に任ず可き者は、其の飲食酒肉、禁ずる勿かれ。錢金・布帛・財物は各おの自ら之を守り、慎んで相い盜む勿かれ。葆宫の牆は必ず三重、牆の垣、守る者、皆な瓦釜を牆上に累ぬ。門に吏有り、門里を主る者、筦閉には必ず太守の節を須つ。葆衛には必ず戍卒の重厚なる者を取り、吏の忠信なる者、害無く事に任ず可き者を擇ぶを請う。将衛をして自ら十尺の垣を築き、周く牆を還らしむ。門・閨なる者は、令衛の司馬門に非ず。氣を望む者の舍は必ず太守に近くし、巫の舍は必ず公社に近くし、必ず之を敬神す。巫・祝・史と氣を望む者とは、必ず善言を以て民に告げ、請を以て守上に報じ、守、獨り其の請を知るのみ。氣を望むに與らずして妄りに不善の言を為して民を驚恐せしむれば、斷じて赦す勿かれ。
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『墨子』備城門老小の事とせざる者をして城上に守らしむ。術に當たらざる者なり。城、持ちて出づるには必ず眀填を為り、吏民をして皆な之を智知せしむ。一人より百人以上に従うも、持ちて出でて填章を操らざれば、人に従うも亦た故人に非ざれば、乃ち亦た稹章あるなり。千人の将以上、之を止め、行くを得しむる勿かれ。行きて吏卒、之に従わば、皆な斬り、具に以て上に聞す。此れ守城の重禁なり。夫れ姦の生ずる所、審らかにせざる可からざるなり。
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説苑・雜言孔子曰く、「船は水に非ざれば行く可からず、水船中に入れば、則ち其れ没す。故に曰く、君子は厳ならざる可からざるなり、小人は閉ざさざる可からざるなり」と。