孫子 / 行軍篇
吾遠之,敵近之;吾迎之,敵背之。軍旁有險阻、潢井、葭葦、林木、蘙薈者,必謹覆索之,此伏奸之所處也。
新字:吾遠之,敵近之;吾迎之,敵背之。軍旁有険阻、潢井、葭葦、林木、蘙薈者,必謹覆索之,此伏奸之所処也。
書き下し
吾は之を遠ざけ、敵には之に近づかしむ。吾は之を迎え、敵には之を背にせしむ。軍の旁らに険阻・潢井・葭葦・林木・蘙薈有らば、必ず謹んで覆り之を索めよ。此れ伏奸の処る所なり。
現代語訳
危険な地形からこちらは遠ざかり、敵には近づかせる。こちらはそれを正面に見て、敵にはそれを背負わせる。軍のかたわらに険しい場所、水たまり、葦の茂み、林、草むらがあれば、必ず注意して繰り返し捜索せよ。伏兵や間者が潜む場所である。
解説
前半は不利な条件を相手に押し付けるという原則、後半は死角の点検である。特に後半が実務的で、危険は開けた場所ではなく、見えにくい場所に潜むと言っている。繰り返し捜索せよという念押しは、一度見て安心するなという意味だ。組織のリスクも同じで、目立つ部門ではなく、誰も見ていない小さな部署や、長く担当が変わっていない業務に潜む。定期的に、繰り返し覗きにいく仕組みを持っているかどうかが分かれ目になる。
この章句が説くこと
伏兵死角点検リスク繰り返し
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