孫子 / 行軍篇
丘陵堤防,必處其陽,而右背之,此兵之利,地之助也。上雨,水沫至,欲涉者,待其定也。
新字:丘陵堤防,必処其陽,而右背之,此兵之利,地之助也。上雨,水沫至,欲渉者,待其定也。
書き下し
丘陵堤防には、必ず其の陽に処りて、之を右背にす。此れ兵の利、地の助けなり。上に雨ふり、水沫至らば、渉らんと欲する者は、其の定まるを待て。
現代語訳
丘陵や堤防では必ず日の当たる南側に陣取り、それを右後方に背負う。これが軍にとっての利であり、地形の助けである。上流に雨が降って濁流が押し寄せてきたら、渡ろうとする者は水が落ち着くのを待て。
解説
前半は布陣の原則、後半は待つことの原則である。濁流を渡るなという指示は当たり前に見えるが、実際には急いでいる者ほど押し切ろうとする。孫子が繰り返し説くのは速さだが、同時にこうして待てとも言う。速さと拙速の違いは、条件が整っているかどうかにある。事業の判断でも、市場が荒れているときに無理に動くより、落ち着くまで待つほうが安く済むことは多い。待つのは決断しないことではなく、待つと決めることである。
この章句が説くこと
待機判断布陣慎重タイミング
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