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春秋左氏伝 / 襄公二十五年 荘公の薄葬と和議

崔氏側莊公于北郭。丁亥。葬諸士孫之里。四翣。不蹕。下車七乘。不以兵甲。晉侯濟自泮。會于夷儀。伐齊以報朝歌之役。齊人以莊公說。使隰鉏請成。慶封如師。男女以班。賂晉侯以宗器樂器。自六正。五吏。三十師。三軍之大夫。百官之正長。師旅。及處守者。皆有賂。晉侯許之。使叔向告於諸侯。公使子服惠伯對曰。君舍有罪。以靖小國。君之惠也。寡君聞命矣。晉侯使魏舒。宛沒。逆衛侯。將使衛與之夷儀。崔子止其帑。以求五鹿。

新字:崔氏側荘公于北郭。丁亥。葬諸士孫之里。四翣。不蹕。下車七乗。不以兵甲。晋侯済自泮。会于夷儀。伐斉以報朝歌之役。斉人以荘公説。使隰鉏請成。慶封如師。男女以班。賂晋侯以宗器楽器。自六正。五吏。三十師。三軍之大夫。百官之正長。師旅。及処守者。皆有賂。晋侯許之。使叔向告於諸侯。公使子服恵伯対曰。君舎有罪。以靖小国。君之恵也。寡君聞命矣。晋侯使魏舒。宛没。逆衛侯。将使衛与之夷儀。崔子止其帑。以求五鹿。

書き下し

崔氏莊公を北郭に側す。丁亥、諸を士孫の里に葬る。四翣、蹕せず、下車七乘、兵甲を以ってせず。晉侯泮より濟り、夷儀に會し、齊を伐ちて以って朝歌の役に報ゆ。齊人莊公を以って說き、隰鉏をして成を請はしむ。慶封師に如く。男女班を以ってし、晉侯に賂ふに宗器・樂器を以ってす。六正・五吏・三十師・三軍の大夫・百官の正長・師旅、及び處守する者より、皆賂有り。晉侯之を許す。叔向をして諸侯に告げしむ。公、子服惠伯をして對へしめて曰く、「君有罪を舍して、以って小國を靖んず、君の惠なり。寡君命を聞けり」と。晉侯魏舒・宛沒をして衛侯を逆へしめ、將に衛をして之に夷儀を與へしめんとす。崔子其の帑を止めて、以って五鹿を求む。

現代語訳

崔氏は荘公の遺体を北郭に仮に安置した。丁亥の日、士孫の里に葬った。棺を飾る翣(うちわ形の飾り)は四つだけで、通行人の先払いもせず、副葬の車は七乗、武器や甲冑は添えなかった(いずれも国君の礼を下げた簡略な葬儀であった)。晋侯(平公)は泮から黄河を渡り、夷儀で諸侯と会合し、斉を攻めて朝歌の役の報復をしようとした。斉は荘公を殺したことを弁明の材料にし、隰鉏を遣わして和睦を申し入れた。慶封が晋の軍中に赴いた。男女の奴隷を身分の順に並べて差し出し、宗廟の祭器と楽器を晋侯に贈った。六卿、五吏、三十の師、三軍の大夫、百官の長、師旅の長、さらには国に残って留守を守る者に至るまで、みな贈り物を受け取った。晋侯は和睦を許した。叔向に命じて諸侯に告げさせた。襄公は子服恵伯に答えさせた。「君が罪ある斉を赦して小国を安んじてくださる。君の恵みです。わが君は仰せを承りました」。晋侯は魏舒と宛没に命じて、斉に亡命していた衛侯(献公)を迎えさせ、衛に命じて夷儀の地を献公に与えさせようとした。崔子は献公の妻子を引き留め、その見返りとして五鹿の地を求めた。

解説

荘公の葬儀は、翣は四つ、先払いなし、副葬の車は七乗、武器も添えないという、国君としては格を落とした薄葬であった。左伝は細目を並べることで、崔杼が殺した君をどう扱ったかを記録している。晋は荘公の朝歌攻めに報復するため諸侯を集めたが、斉は荘公をすでに殺したことを弁明に使い、晋の卿から留守居の者に至るまで広く贈り物を配って和議を買った。前年に子産が范宣子に「令名は徳の輿なり」と説き、貢ぎ物の重さをいさめたばかりだが、晋の側はここで大量の賂を受け取って兵を収めている。攻める名目だった相手がすでに殺されていれば、晋に戦う理由は残らない。君主を殺した者が、その死を外交の取引に使ったことになる。最後に、斉に亡命していた衛の献公の帰国をめぐって崔杼が土地を要求する記事が置かれ、次の衛の話へつながる。責任者の処分が、交渉の場でどのように取引材料になるかを示す記事である。

この章句が説くこと

賄賂外交礼名分取引

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