尚書 / 文侯之命
柔遠能邇,惠康小民
新字:柔遠能邇,恵康小民
書き下し
遠きを柔らげ邇きに能くし、小民を惠康す。
現代語訳
遠くにいる者を懐柔し、近くにいる者とはうまくやり、小さき民を恵み安んじる。
解説
遠くの相手には丁寧に接する一方で、身近な人間関係がおろそかになることは案外多い。外向けの評判ばかり気にして、すぐそばにいる家族や同僚への気配りを欠けば、足元から信頼は崩れていく。さらに、声の届きにくい立場の弱い人たちへの配慮を忘れないことも欠かせない。遠近どちらにも目を配り、力の弱い者を気にかける姿勢が、関係全体を安定させる。
この章句が説くこと
遠近配慮弱者
関連する章句
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孫子・地形篇往くべくして返り難きを、掛と曰う。掛形は、敵に備え無ければ、出でて之に勝つ。敵若し備え有らば、出でて勝たず、返り難くして、不利なり。
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司馬法・仁本その老幼を見ては、奉(ほう)じて帰し、傷つくる勿(な)かれ。壮者に遇うと雖も、校(きそ)わざれば敵とする勿れ。
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司馬法・天子之義古者(いにしえ)は戍兵(じゅへい)を三年興さず、民の労を覩(み)ればなり。
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葉隠・聞書第二何某(なにがし)或る御方にて、笄(こうがい)失い候事を、何かと申し候を、同道の衆意見申し候て、追って盗み候人相知れ、仕置(しおき)これあり候。御亭主(ごていしゅ)に恥かかせ申す事を、行き当らず言出して見出し申さざる時は、伺々(うかがいうかがい)無興(ぶきょう)なり。刀の拵(こしら)え様、置き処(どころ)、兼々(かねがね)吟味(ぎんみ)仕るべき事の由。
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葉隠・聞書第一その人の恥にならぬように、その場をよいように取りなすのが侍の仕事である。御祝言の御道具の詮議(せんぎ)の時分、何某(なにがし)殿が仰せられたのは、「琴・三絃(さんげん)が、その書付(かきつけ)に見えません」ということであった。翌日仰せられたのは、「あらかたを申して差し止めた。極上のものを二通(とおり)ずつと書き付けよ」とのことであったという。ある人が話して、「御道具がなくても事は足りるものだ。これは気味(きみ)のよい人であるよ」と申したところ、「いやいや、それがよからぬ所存(しょぞん)である。すべて我が威勢立(いせいだ)ての言い分だ。おおかた他方者(たほうもの)にある事である。道を知る者ならば、たとえ不要と決まっているものであっても、御尤(ごもっと)もと存じ奉る」とのこと。さりながら、それは追って吟味いたしましょうなどと申して、その人の恥にならぬように、その場をよいように取りなすことこそ侍の仕事である。しかも入(い)るべき物ゆえ、翌日は書き汚(きた)なく麁相(そそう)の心入れで、当座に貴人に恥をかかせ、何の詮(せん)もなく、汚なく麁相の心入れである。