尚書 / 呂刑
一人有慶,兆民賴之,其寧惟永
新字:一人有慶,兆民頼之,其寧惟永
書き下し
一人慶び有れば、兆民之に賴り、其の寧きこと惟れ永し。
現代語訳
一人に善い行いがあれば、多くの民がそれを頼りとし、その安らぎは長く続く。
解説
たった一人の善い行いが、思いのほか多くの人の支えになることがある。大きな仕組みや制度がなくても、誰か一人が誠実に事にあたり続けることで、周りの人はそこに寄りかかり、安心して日々を過ごせるようになる。家庭でも職場でも地域でも、その一人になれるかどうかは、地位や肩書きとは関係がない。自分の小さな善行が誰かの拠り所になっているかもしれないと考えてみたい。
この章句が説くこと
善行信頼波及
関連する章句
-
論語・為政篇子曰わく、人にして信無くんば、其れこれを知ることなきなり。大車に輗無く、小車に軏無くんば、其れこれを以て行かんや。
-
論語・顔淵篇子貢、政を問う。子曰く、「食を足し、兵を足し、民之を信ず。」子貢曰く、「必ず已むを得ずして去らば、斯の三者に於いて何をか先にせん。」曰く、「兵を去らん。」子貢曰く、「必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於いて何をか先にせん。」曰く、「食を去らん。古より皆死有り、民信無くんば立たず。」
-
論語・泰伯篇子曰わく、民はこれに由らしむべし、これを知らしむべからず。
-
論語・憲問篇「克・伐・怨・欲、行われずんば、以て仁と為す可きか。」子曰く、「以て難しと為す可し。仁は則ち吾知らざるなり。」
-
論語・憲問篇子曰く、『詐を逆(むか)えず、不信を億(はか)らず。抑も亦た先覚なる者、是れ賢か。』
-
『韓非子』說林上二十二樂羊は功有るを以て疑われ、秦西巴は罪有るを以て益々信ぜらる。