尚書 / 君牙
爾身克正,罔敢弗正
書き下し
爾が身克く正しければ、敢えて正しからざる罔し。
現代語訳
あなた自身が正しくあれば、あえて正しくない者などいなくなる。
解説
人を正そうとする前に、まず自分が正しくあるかを問うようにという教えである。誰かの態度や振る舞いを変えたいと思うとき、口で指摘するより先に、自分自身の姿勢を整えるほうが結局は近道になることが多い。家庭でも職場でも、人は言葉より行いを見ている。他人に求める基準を、まず自分に当てはめられているかを振り返る価値がある。なお、本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
この章句が説くこと
率先垂範自己修養感化
関連する章句
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三略・下略己を舎きて人を教ふる者は逆、己を正して人を化する者は順なり。逆は乱の招く所、順は治の要なり。道、徳、仁、義、礼の五つの者は、一体なり。道は人の蹈む所、徳は人の得る所、仁は人の親しむ所、義は人の宜しき所、礼は人の体する所にして、一も無かるべからず。故に夙に興き夜に寐ぬるは、礼の制なり。賊を討ち讎に報ゆるは、義の決なり。惻隠の心は、仁の発なり。己を得、人を得るは、徳の路なり。人をして均平ならしめ、其の所を失はざらしむるは、道の化なり。
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論語・衛霊公篇子曰わく、身をもって厚くし、人を責むること薄ければ、すなわち怨み遠し。
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菜根譚・前集魔を降す者は、先ず自心を降す。心伏せば、則ち群魔は退聴す。横を馭す者は、先ず此の気を馭す。気平らかなれば、則ち外横は侵さず。
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『法句経』第十二 己身の部 一五八〜一六〇一五八 初めに自ら応為に住すべし、而して後他人を誨へよ、(斯くする)智者は煩はざらん。 一五九 他に誨ゆる如く自ら剋修すべし、(自ら)善く調めて而して後能く(他を)調む、己を調むるは実に難し。 一六〇 己を以て主とす、他に何ぞ主あらんや、己を善く調めぬれば能く得難き主を得。
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十七条憲法 第八条群卿百寮(ぐんけいひゃくりょう)、早(つと)に朝(まい)りて晏(おそ)く退(しりぞ)け。公事(くじ)盬(しお)きこと靡(な)く、終日(ひねもす)にも尽(つ)くし難(がた)し。是(ここ)を以(もっ)て遅(おそ)く朝(まい)れば急(きゅう)に逮(およ)ばず、早く退(しりぞ)けば必(かなら)ずその功(こう)を尽(つ)くさず。
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史記 孫子呉起列伝起の将為るや、士卒の最下の者と衣食を同じくす。臥するに席を設けず、行くに騎乗せず、親ら贏糧を裹ひ、士卒と労苦を分かつ。卒に疽を病む者有り、起、為に之を吮ふ。卒の母、聞きて之に哭す。人曰く、「子は卒なり、而るに将軍自ら其の疽を吮ふ、何ぞ哭するを為す」と。母曰く、「然るに非ざるなり。往年、呉公、其の父を吮ひ、其の父、戦ひて踵を旋さず、遂に敵に死す。呉公今又其の子を吮ふ。妾、其の死所を知らず。是を以て之を哭す」と。