尚書 / 畢命
世祿之家,鮮克由禮
新字:世禄之家,鮮克由礼
書き下し
世祿の家、克く禮に由る者鮮し。
現代語訳
代々禄(俸禄・財産)を受け継ぐ家には、礼をしっかり守れる者は少ない。
解説
生まれながらに恵まれた環境を受け継いだ者ほど、当たり前になった豊かさの中で節度を保つのが難しくなるという指摘である。苦労を経ずに手にしたものは、その重みを実感しにくく、礼儀や謙虚さが後回しになりがちだ。これは家業や地位を継ぐ場面に限らず、恵まれた環境に慣れてしまった誰にでも起こりうることである。持っているものの重さを、あらためて意識する機会を自分でつくる必要がある。なお、本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
この章句が説くこと
世襲驕り礼節