尚書 / 泰誓中
吉人為善,惟日不足;兇人為不善,亦惟日不足
書き下し
吉人は善を為すに、惟れ日も足らず。兇人は不善を為すに、亦た惟れ日も足らず。
現代語訳
善い人は善を行うのに時間が足りないほど励み、悪い人もまた悪事を行うのに時間が足りないほど熱中する。
解説
善い行いも悪い行いも、日々の時間の使い方の積み重ねから生まれるという指摘である。人は良いことをしていても悪いことをしていても、それに没頭すれば一日はあっという間に過ぎてしまうものであり、善悪はどちらも習慣として身に染みついていく。だからこそ、自分が毎日何にそれほど夢中になって時間を費やしているのかを振り返ることが、自分の生き方の方向を映し出す手立てになる。なお、本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
この章句が説くこと
吉人兇人日々の積み重ね