尚書 / 太甲中
奉先思孝,接下思恭。視遠惟明;聽德惟聰
新字:奉先思孝,接下思恭。視遠惟明;聴徳惟聰
書き下し
先を奉じては孝を思い、下に接しては恭を思う。遠きを視るは惟れ明、徳を聴くは惟れ聡。
現代語訳
先祖を敬っては孝行を心がけ、目下の者に接しては恭しさを心がける。遠くまで見通せることが明であり、徳のある言葉を聴き分けられることが聡である。
解説
目上を敬うときには真心を尽くし、目下の人と接するときには謙虚さを忘れない。この構えの上に立って初めて、遠くの物事を見通す「明」と、価値ある言葉を聴き分ける「聡」が育つという教えである。日々の会話の中で、耳当たりの良い言葉と本当に学ぶべき言葉を区別できているか、立場の上下にかかわらず誠実に接しているかを、この一句は静かに問いかけてくる。なお、本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
この章句が説くこと
孝恭明聡
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