尚書 / 太甲上
若虞機張,往省括于度則釋
新字:若虞機張,往省括于度則釈
書き下し
虞(ぐ)の機張るが若(ごと)く、往(ゆ)きて括(かつ)の度(ど)に于(お)けるを省(かえり)みて則ち釈(はな)て。
現代語訳
猟師が仕掛けの弓を張るときのように、放つ前に矢筈が狙いに合っているかを確かめてから、はじめて放て。
解説
弓を引き絞ったその勢いのままに放つのではなく、放つ直前にもう一度狙いを確かめよという、実行前の点検を説く句である。準備が整ったと感じた瞬間ほど、人は勢いに任せて確認を省きがちである。しかし本当に大事な一手ほど、放つ直前のひと呼吸が結果を分ける。仕事の提出前、大事な発言の前、決断の直前に、いま一度狙いとずれがないかを確かめる小さな習慣が、後悔を防ぐ。なお、本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
この章句が説くこと
点検準備実行前の確認