尚書 / 太甲上
慎乃儉德,惟懷永圖
新字:慎乃倹徳,惟懐永図
書き下し
乃(なんじ)の倹徳(けんとく)を慎み、惟(こ)れ永図(えいと)を懐(いだ)け。
現代語訳
あなたは質素であることの徳を大切に守り、遠く長い先までの計画を心に抱きなさい。
解説
目先の贅沢や安易さを避け、長い時間軸で物事を考えよという教えである。倹約というと単なる節約のように聞こえるが、ここでの本質は「今すぐの満足を我慢してでも、先を見据える姿勢を保てるか」という点にある。日々の暮らしでも仕事でも、目先の便利さや快楽を優先し続けると、気づいたときには長期的に大切なものを失っていることがある。今日一日をどう過ごすかを、遠い将来から逆算して考える習慣が、この句の求める倹徳と重なる。なお、本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
この章句が説くこと
倹徳長期思考慎み