尚書 / 大禹謨
儆戒無虞,罔失法度。罔遊于逸,罔淫于樂。任賢勿貳,去邪勿疑
新字:儆戒無虞,罔失法度。罔遊于逸,罔淫于楽。任賢勿貳,去邪勿疑
書き下し
虞(おそ)れ無きに儆戒(けいかい)し、法度(ほうど)を失うこと罔(な)かれ。逸(いつ)に遊ぶこと罔く、樂に淫(いん)すること罔かれ。賢を任じて貳(に)すること勿(な)かれ、邪を去りて疑うこと勿かれ。
現代語訳
まだ憂いのない平穏なうちから警戒を怠らず、法や制度の規律を失うことのないようにせよ。安逸に浸って遊びふけることなく、快楽におぼれることのないようにせよ。賢者を用いるときは疑い迷うことなく、邪な者を退けるときはためらうことがないようにせよ。
解説
何も問題が起きていない平穏な時ほど、油断せず先んじて備えるべきだという構えを説く一節である。物事がうまくいっている時期に規律を緩め、心地よさに流されてしまうのは人の常であり、その緩みが後の綻びにつながる。また、良い人材を用いる決断も、良くない要素を取り除く決断も、一度決めたら迷いを引きずらないことが肝心だと説く。平穏な日常の中でこそ、自分を律する基準を保ち続けたい。なお、本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
この章句が説くこと
儆戒無虞任賢去邪法度
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