尚書 / 舜典
直而溫,寬而栗,剛而無虐,簡而無傲
新字:直而温,寛而栗,剛而無虐,簡而無傲
書き下し
直(なお)くして溫(おん)、寬(ひろ)くして栗(りつ)、剛(ごう)にして虐(しいた)ぐる無く、簡(かん)にして傲(おご)る無し。
現代語訳
まっすぐでありながら温かく、寛容でありながら締まりがあり、意志が強くありながら人を虐げることがなく、おおらかでありながら驕り高ぶることがない。
解説
一見すると相反する二つの性質を、片方に偏ることなく併せ持つ人物のあり方を説く。正しさを貫けば冷たくなりがちで、寛容であれば締まりを失いがちであるように、美徳は行き過ぎるとしばしば別の欠点に転じる。大切なのは、どちらか一方を選ぶことではなく両方の緊張を保ち続けることであり、それは日々の言動を絶えず点検する姿勢からしか生まれない。自分の得意な美徳ほど、その裏にひそむ危うさを意識したい。
この章句が説くこと
剛柔両立直而温人物像