人物志 / 八觀
直之失也訐,剛之失也厲,和之失也懦,介之失也拘。
書き下し
直の失や訐、剛の失や厲、和の失や懦、介の失や拘。
現代語訳
実直さの行き過ぎは他人の欠点をあばくことになり、剛毅さの行き過ぎは厳しさになり、温和さの行き過ぎは軟弱になり、節操の堅さの行き過ぎは頑なになる。
解説
実直さが行き過ぎれば他人の欠点をあばく行為になり、剛毅さが行き過ぎれば厳しさになり、温和さが行き過ぎれば軟弱になり、節操の堅さが行き過ぎれば頑なさになると人物志は説く。美徳と欠点は別々のものではなく、同じ性質の程度の違いに過ぎないという見方である。自分の長所だと思っている性質も、度が過ぎれば短所として表れることを踏まえておくと、褒められた特性に安住せず、その加減を意識できるようになる。
この章句が説くこと
美徳過剰表裏
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老子 第9章持ちて之を盈たすは、其の已るに如かず。揣(き)りてその鋭を為すは、長く保つ可からず。金玉満堂、之を能く守る者莫し。富貴して驕れば、自ら其の咎を遺す。功を成して身を退く、天の道なり。
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呂氏春秋・侈樂①人は其の生を以て生きざるは莫し、而れども其の生くる所以を知らず。人は其の知を以て知らざるは莫し、而れども其の知る所以を知らず。其の知る所以を知る、之を道を知ると謂う。其の知る所以を知らざる、之を寶を棄つと謂う。寶を棄つる者は必ず其の咎に離る。世の人主は、多く珠玉戈劍を以て寶と為し、愈々多くして民愈々怨み、國人愈々危うく、身愈々危累す。則ち寶の情を失うなり。亂世の樂は此と同じ。木革の聲を為せば則ち雷の若く、金石の聲を為せば則ち霆の若く、絲竹歌舞の聲を為せば則ち譟の若し。此を以て心気を駭かし、耳目を動かし、生を搖蕩せんとすれば則ち可なるも、此を以て樂と為せば則ち樂しからず。故に樂は愈々侈にして、民は愈々鬱し、國は愈々亂れ、主は愈々卑し。則ち亦た樂の情を失うなり。
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呂氏春秋・適音③夫れ音も亦た適有り。太だ鉅なれば則ち志蕩す。蕩するを以て鉅を聽けば則ち耳容れず、容れざれば則ち橫塞す。橫塞すれば則ち振く。太だ小なれば則ち志嫌す。嫌を以て小を聽けば則ち耳充たず。充たざれば則ち詹らず。詹らざれば則ち窕す。太だ清なれば則ち志危うし。危うきを以て清を聽けば則ち耳谿極す。谿極すれば則ち鑒せず、鑒せざれば則ち竭く。太だ濁なれば則ち志下る。下れるを以て濁を聽けば則ち耳收まらず。收まらざれば則ち摶ならず。摶ならざれば則ち怒る。故に太だ鉅なると、太だ小なると、太だ清なると、太だ濁なるとは、皆適に非ざるなり。