尚書 / 舜典
詢于四岳,闢四門,明四目,達四聰
書き下し
四岳(しがく)に詢(と)い、四門を闢(ひら)き、四目を明らかにし、四聰(しそう)を達す。
現代語訳
四方の重臣たちに広く意見を尋ね、四方の門を開き、四方をよく見る目を明らかにし、四方によく聞こえる耳を届かせた。
解説
情報を独占せず、四方に向けて門を開き、目や耳を隅々まで行き届かせることで、実情が正しく伝わる仕組みを作った故事である。人は立場が上がるほど、自分に都合の良い情報しか届かなくなりやすい。意識して間口を広げ、様々な立場の声に耳を傾け、直接見に行く機会を持たなければ、実情から遠ざかっていることにすら気づけなくなる。風通しの良さは、放っておいて生まれるものではなく、自ら作り出すものである。
この章句が説くこと
四門四目四聡情報公開風通し
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風憲忠告・詢訪苐三今政を為す者、往往にして先入の言を以て主と為すは、彼一偏に狃(な)れ徇(したが)うに非ず、蓋し上下の情に通ぜざるに由るが故なり。故に其の情に通ずるは、悉心詢訪(じゅんぽう)するに如くは莫し。小にしては一県一州、大にしては一郡一国、吏孰(いず)れか貪邪、官孰れか廉正、何事か衆を病ましめ、何政か民を利するか、豪横の有無、風俗の厚薄、既にその凡(あらまし)を得て、他日詳らかに綜覈(そうかく)を加え、復た験(あか)すに事を以てせば、其れ孰か隠るるを得んや。苟しくも廉ならば、即ちこれを優しみ、これを礼貌し、これを薦挙せば、則ち善なる者勧む。苟しくも貪ならば、極品の貴と雖も、即ちこれを蔑(なみ)し、これを威拒し、これを紏劾せば、則ち悪を為す者懲む。推して士を待ち吏を遇するに至るも、亦然らざるは莫し。大抵一道の任は、猶お一家の務のごとし。善く家を為す者は、その子弟族属、下は奴隷に逮(およ)ぶまで、その情性の良否、皆当に知るべき所なり。一たび或いは及ばざれば、則ち将に甘んじて弄せらるる所と為りて悟らず、久しければ必ず是非顛倒し、佞を以て忠と為し、貪を以て廉と為し、無能を以て有能と為すに致り、政令行われずして紀綱替(すた)らん。前輩云う有り、「宰相為ること難からず、一心正しく、両眼眀らかならば足れり」と。烏呼、彼の風憲を長たる者、其の責任の重き、亦豈に夫の宰相に下らんや。之を若何ぞ前輩の言を以て法と為さざる。
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説苑・君道周公、天子の位を践み徳を布き恵みを施す。遠くして逾々明らかに、十二牧、方三人、遠方の民を挙げ出だし、饑寒ありて衣食を得ざる者、獄訟ありて職を失う者、賢才ありて挙げられざる者あれば、以て天子に入りて告ぐ。天子其の君の朝に於いて、攝して之を進めて曰く、「意うに朕の政教に得ざる者有るか。何ぞ其の臨む所の民に饑寒ありて衣食を得ざる者、獄訟ありて職を失う者、賢才ありて挙げられざる者有るや」と。其の君帰るや、乃ち其の国の大夫を召し、天子の言を用って告ぐ。百姓之を聞きて皆喜びて曰く、「此れ誠に天子なり。何ぞ居ること深遠にして我を見ること之明らかなるや、豈に欺くべけんや」と。故に牧なる者は四門を辟き、四目を明らかにし、四聰を達する所以なり。是を以て近き者之に親しみ、遠き者之に安んず。詩に曰く、「遠きを柔らげ邇きを能くし、以て我が王を定む」と、此を之れ謂うなり。
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貞観政要・君道貞観二年、太宗魏徴に問いて曰く、「何をか明君暗君と為すと謂う」と。徴曰く、「君の明なる所以の者は、兼ね聴けばなり。其の暗なる所以の者は、偏り信ずればなり。《詩》に云く、『先人に言有り、芻蕘(すうじょう)に詢(と)う』と。昔、唐・虞の理むるや、四門を辟(ひら)き、四目を明らかにし、四聡を達す。是を以て聖にして照らさざる無し。故に共・鯀(こん)の徒も、塞ぐ能わざるなり。靖言庸回(せいげんようかい)も、惑わす能わざるなり。秦の二世は則ち其の身を隠蔵し、疎賤を捐隔(えんかく)して趙高を偏信す。天下潰叛するに及びて、聞くを得ざるなり。梁の武帝は朱異を偏信す。而して侯景は兵を挙げて闕に向かうも、竟に知るを得ざるなり。隋の煬帝は虞世基を偏信す。而して諸賊は城を攻め邑を剽(おびや)かすも、亦た知るを得ざるなり。是の故に人君は兼ね聴き下を納るれば、則ち貴臣も壅蔽(ようへい)するを得ずして、下情は必ず上に通ずるを得るなり」と。太宗甚だ其の言を善しとす。
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荀子・致士篇衡聴・顕幽・重明・退姦・進良の術。朋党比周の誉は、君子は聴かず。残賊加累の譖は、君子は用いず。隠忌雍蔽の人は、君子は近づけず。貨財禽犢の請は、君子は許さず。凡そ流言・流説・流事・流謀・流誉・流愬の、官せずして衡ちに至る者は、君子は之を慎み、聞き聴きて之を明らかに誉め、其の当を定めて当たり、然る後に其の刑賞を士して之に還し与う。是くの如くなれば則ち姦言・姦説・姦事・姦謀・姦誉・姦愬、之を試むる莫きなり。忠言・忠説・忠事・忠謀・忠誉・忠愬、明通せざる莫く、方に起こりて以て尚だ尽くさん。夫れ是れを之れ衡聴・顕幽・退姦・進良の術と謂う。
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