尚書 / 舜典
敷奏以言,明試以功,車服以庸
書き下し
敷奏(ふそう)するに言を以てし、明試(めいし)するに功を以てし、車服をもって庸(むく)いる。
現代語訳
(諸侯に)言葉によって政治の方針や実績を申し述べさせ、実際の功績によってはっきりと試し確かめ、車や衣服を与えることでその功に報いた。
解説
申告(言葉)、検証(実績)、処遇(報酬)という三段階の仕組みを説く一節である。人事評価の要点は、自己申告だけで終わらせず実際の成果で裏付け、それに見合った形で報いることにある。今日の仕事でも、口約束や意欲だけでなく、実際に積み上げた成果を正しく評価し、それにふさわしい形で報いる仕組みがあってこそ、人は安心して力を尽くせるようになる。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見るこの章句が説くこと
敷奏明試車服
関連する章句
-
尚書・舜典三載(さんさい)にして績(せき)を考え、三考にして、幽明(ゆうめい)を黜陟(ちゅっちょく)す。
-
『新論』守禦今必ず天下の賢才を致さんと欲せば、士を取るの法、其の要を得ざるべからず。士を取るの法に曰く、敷き納るるに言を以てし、明らかに庶くするに功を以てし、車服以て庸ゆ、と。是のみ。天下の士皆敷納する所有るを得て、以て其の蘊む所を尽くし、平生鬱勃の気を泄らさば、誰か敢へて感激して争ひて其の言を陳べざらん。明らかに庶くするに功を以てすれば、則ち言底ひて行ふべく、智愚賢不肖能否以て判れ、空疎の士は冒進するを得ずして、謙譲廉退の風興らん。車服以て庸ゆれば、則ち実才ある者は実功を立てて、其の栄を受け、天下誰か其の大いに為す有るの志に敬応せざらん。此の如くなれば則ち天下の賢才尽く廟堂に集まり、天下の善を兼ねて、以て天下に布かん。天下誰か敢へて廟堂の重きを知りて之を敬戴せざらんや。
-
尚書・仲虺之誥徳懋(つと)むれば官を懋(すす)め、功懋むれば賞を懋む。
-
『韓非子』二柄第七功、其の事に當り、事、其の言に當れば、則ち賞し、功、其の事に當らず、事、其の言に當らざれば、則ち罰す。
-
説苑・說叢賢を進むれば上賞を受け、賢を蔽えば顯戮を蒙る、古の通義なり。人を朝に爵し、人を市に淪す、古の通法なり。
-
『潜夫論』考績凡そ南面の大務は、賢を知るより急なるは莫し。賢を知るの近途は、功を考うるより急なるは莫し。功誠に考うれば則ち治乱暴れて明らかに、善悪信なれば則ち直賢は障蔽せられず、而して佞巧は其の奸を竄すを得ず。夫れ剣は試みざれば則ち利鈍暗く、弓は試みざれば則ち勁撓誣われ、鷹は試みざれば則ち巧拙惑い、馬は試みざれば則ち良駑疑わし。此の四者の相紛るること有るは、考試せざるに由る、故に然るを得るなり。今群臣の試みられざるは、其の禍直だ誣暗疑惑に止まるのみに非ず、又必ず怠慢の節に致る。設し家人に五子十孫有り、父母精?を察せざれば、則ち勤力する者は懈弛し、惰慢なる者は非を遂ぐ、耗業破家の道なり。父子兄弟一門の計すら、猶お此の若き有り、則ち又況んや群臣の猥を総べて公事を治むる者をや。伝に曰く、「善悪彰らかなる無くんば、何を以てか沮勧せん」と。是の故に大人は功を考えざれば、則ち子孫惰りて家は破れ窮す。官長は功を考えざれば、則ち吏怠傲して奸宄興る。帝王は功を考えざれば、則ち直賢は抑えられて詐偽勝つ。故に《書》に曰く、「三載に績を考え、幽明を黜陟す」と。蓋し賢愚を昭らかにし能否を勧むる所以なり。