尚書 / 畢命
欽若先王成烈,以休于前政。」
書き下し
欽みて先王の成烈に若ひ、以て前政より休くせよ。」
現代語訳
謹んで先王の成し遂げた功業に従い、それによって前の政よりもさらによくせよ。」
解説
畢命の結びで、王は畢公に、謹んで先王の成し遂げた功業に従い、前の政よりもさらによくせよと命じる。受け継ぐことと改善することが一つの文に並べられている点が興味深い。篇の冒頭で「政は俗に由りて革まる」と述べたように、先王の業に従うことは、ただ同じことを繰り返すことではなく、時代に合わせてよりよくしていくことでもあった。周公・君陳から畢公へと続く成周の統治は、その実践として描かれている。前任者のやり方を尊重しながら、そこにとどまらず一段よいものにして次に渡す。引き継いだ仕事に向き合う姿勢の手本として読める。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
関連する章句
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尚書・畢命惟れ十有二年、六月、庚午朏(ひ)。越えて三日壬申、王朝に宗周より歩み、豊に至る。成周の衆を以て、畢公に命じて東郊を保釐せしむ。王若(かく)のごとく曰く、「嗚呼(ああ)!父師よ、惟れ文王・武王、大徳を天下に敷き、用て克く殷の命を受く。惟れ周公先王を左右し、厥の家を綏定し、殷の頑民を毖め、洛邑に遷し、王室に密邇せしめ、式て厥の訓に化せしむ。既に三紀を歴、世変じ風移り、四方虞ひ無く、予一人以て寧し。道に升降有り、政は俗に由りて革まる。厥の臧を臧とせずんば、民勧むる攸罔し。惟れ公は徳を懋め、克く小物に勤め、四世を弼亮し、色を正しくして下を率ゐ、師の言を祗まざる罔し。嘉績先王に多く、予小子は垂拱して成るを仰ぐ。」王曰く、「嗚呼(ああ)!父師よ、今予祗みて公に命ずるに周公の事を以てす、往けや。淑慝を旌別し、厥の宅里を表し、善を彰し悪を癉(にく)み、之が風声を樹てよ。訓典に率はざるは、厥の井疆を殊にし、克く畏れ慕はしめよ。郊圻を申ね画し、封守を慎み固くし、以て四海を康んぜよ。
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尚書・畢命蕩を以て徳を陵ぐは、実に天道に悖る。敝化奢麗、万世流れを同じくす』と。茲の殷の庶士、寵に席ること惟れ旧しく、侈を怙み義を滅し、美を人に服す。驕淫矜侉にして、将に悪に由りて終はらんとす。放心を収むと雖も、之を閑ぐこと惟れ艱し。資富にして能く訓ふれば、惟れ以て年を永くせん。惟れ徳惟れ義、時れ乃ち大訓なり。古訓に由らずんば、何に于いてか其れ訓へん。」王曰く、「嗚呼(ああ)!父師よ、邦の安危は、惟れ茲の殷士に在り。剛ならず柔ならず、厥の徳允に修まる。惟れ周公克く厥の始めを慎み、惟れ君陳克く厥の中を和し、惟れ公克く厥の終はりを成す。三后心を協せ、同じく道に底り、
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尚書・畢命四夷の左衽も、咸く頼らざる罔く、予小子永く多福を膺けん。公其れ惟れ時の成周に、無窮の基を建て、亦無窮の聞有らん。子孫其の成式に訓ひ、惟れ乂まらん。嗚呼(ああ)!
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尚書・畢命政は恒有るを貴び、辭は體要を尚び、惟れ異を好むのみに非ず。
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尚書・畢命世祿の家、克く禮に由る者鮮し。
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尚書・畢命道は政治に洽く、澤は生民を潤す。
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