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尚書 / 顧命

二人雀弁執惠,立于畢門之內;四人綦弁,執戈上刃,夾兩階戺;一人冕執劉,立于東堂;一人冕執鉞,立于西堂;一人冕執戣,立于東垂;一人冕執瞿,立于西垂;一人冕執銳,立于側階。王麻冕黼裳,由賓階隮。卿士邦君麻冕蟻裳,入即位。太保、太史、太宗,皆麻冕彤裳。太保承介圭,上宗奉同瑁,由阼階隮。太史秉書,由賓階隮,御王冊命。曰:「皇后憑玉几,道揚末命:命汝嗣訓,臨君周邦,率循大卞,燮和天下,用答揚文武之光訓。」王再拜,興。答曰:「眇眇予末小子,其能而亂四方,以敬忌天威?」乃受同瑁,王三宿,三祭,三咤。上宗曰:「饗。」太保受同,降,盥,以異同秉璋以酢,授宗人同,拜,王答拜。太保受同,祭、嚌、宅,授宗人同,拜,王答拜。太保降,收。諸侯出廟門俟。

新字:二人雀弁執恵,立于畢門之内;四人綦弁,執戈上刃,夾両階戺;一人冕執劉,立于東堂;一人冕執鉞,立于西堂;一人冕執戣,立于東垂;一人冕執瞿,立于西垂;一人冕執鋭,立于側階。王麻冕黼裳,由賓階隮。卿士邦君麻冕蟻裳,入即位。太保、太史、太宗,皆麻冕彤裳。太保承介圭,上宗奉同瑁,由阼階隮。太史秉書,由賓階隮,御王冊命。曰:「皇后憑玉几,道揚末命:命汝嗣訓,臨君周邦,率循大卞,燮和天下,用答揚文武之光訓。」王再拝,興。答曰:「眇眇予末小子,其能而乱四方,以敬忌天威?」乃受同瑁,王三宿,三祭,三咤。上宗曰:「饗。」太保受同,降,盥,以異同秉璋以酢,授宗人同,拝,王答拝。太保受同,祭、嚌、宅,授宗人同,拝,王答拝。太保降,収。諸侯出廟門俟。

書き下し

二人は雀弁して惠を執り、畢門の内に立つ。四人は綦弁して、戈を執り刃を上にし、両階の戺を夾む。一人は冕して劉を執り、東堂に立つ。一人は冕して鉞を執り、西堂に立つ。一人は冕して戣を執り、東垂に立つ。一人は冕して瞿を執り、西垂に立つ。一人は冕して鋭を執り、側階に立つ。王は麻冕黼裳して、賓階より隮(のぼ)る。卿士・邦君は麻冕蟻裳して、入りて位に即く。太保・太史・太宗、皆麻冕彤裳す。太保は介圭を承け、上宗は同瑁を奉じ、阼階より隮る。太史は書を秉り、賓階より隮り、王に冊命を御す。曰く、「皇后玉几に憑り、末命を道揚す。汝に命じて訓を嗣ぎ、周邦に臨君し、大卞に率ひ循ひ、天下を燮和し、用て文武の光訓に答揚せしむ。」王再拝して、興つ。答へて曰く、「眇眇たる予末小子、其れ能く四方を而(ならび)に乱(をさ)め、以て天威を敬忌せんや。」乃ち同瑁を受く。王三たび宿(すす)み、三たび祭り、三たび咤(おく)る。上宗曰く、「饗けよ。」太保同を受け、降り、盥ひ、異同を以て璋を秉りて以て酢し、宗人に同を授け、拝す、王答拝す。太保同を受け、祭り、嚌(な)め、宅(しりぞ)き、宗人に同を授け、拝す、王答拝す。太保降り、収む。諸侯廟門を出でて俟つ。

現代語訳

二人が雀弁(赤黒い色の冠)をかぶって惠(三稜の矛)を持ち、畢門(路寝の門)の内に立った。四人が綦弁(青黒い模様の冠)をかぶり、戈を刃を上にして持ち、両方の階段のわきを挟んで立った。一人が冕をかぶって劉(大斧)を持ち、東の堂に立った。一人が冕をかぶって鉞(まさかり)を持ち、西の堂に立った。一人が冕をかぶって戣(矛の一種)を持ち、東の堂の端に立った。一人が冕をかぶって瞿(戟の一種)を持ち、西の堂の端に立った。一人が冕をかぶって鋭(矛の一種)を持ち、脇の階段に立った。王(康王)は麻の冕と斧の模様のある裳を着け、賓客の階段から上った。卿士と諸侯は麻の冕と黒い裳を着け、入ってそれぞれの位に就いた。太保・太史・太宗(祭祀の長)はみな麻の冕と赤い裳を着けた。太保は介圭(大きな圭)を捧げ持ち、上宗(太宗)は同(酒杯)と瑁(諸侯の圭を合わせる玉)を捧げて、主人の階段から上った。太史は冊書を持ち、賓客の階段から上って、王に冊命を読み上げた。「大いなる君(成王)は玉の机に寄りかかって、最後の命を述べ告げられた。汝に命じて教えを受け継がせ、周の国に君として臨み、大いなる法に従い、天下を和らげ、それによって文王・武王の輝かしい教えに応えて広めよ、と。」王は再拝して立ち上がり、答えて言った。「小さく取るに足りない末の子である私が、どうして四方を治め、天の威を敬い畏れることができようか。」そして同と瑁を受け取った。王は三度進み出て、三度酒を注いで祭り、三度杯を置いた。上宗が「お受けあれ」と言った。太保は同を受け取って階段を降り、手を洗い、別の同で璋(半圭)を持って返杯し、宗人(祭祀の役人)に同を渡して拝礼すると、王は答拝した。太保はまた同を受け取り、酒を注いで祭り、口をつけ、退いて宗人に同を渡して拝礼すると、王は答拝した。太保は階段を降り、器を片づけさせた。諸侯は廟の門を出て待った。

解説

顧命の後半は、成王の崩御ののち、太子釗が冊命を受けて即位する儀式の記録である。武器を持った近衛の配置、王や卿士の冠と衣の色、階段の上り方、玉器や酒杯の受け渡しまでが順を追って細かく描かれる。太史が成王の遺命を読み上げ、新王が「眇眇たる予末小子」と謙遜して答える場面は、王位が私物ではなく天と先王から託されるものだという観念をよく表している。喪中でありながら吉礼の服で即位する点は、のちに礼学者の議論の的ともなった。形式は形だけのものではなく、権限の移譲を誰の目にも明らかにする働きを持つ。代替わりの儀式を丁寧に行う意味を教えている。

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