尚書 / 旅獒
嗚呼!夙夜罔或不勤,
書き下し
嗚呼(ああ)、夙夜或いは勤めざること罔かれ、
現代語訳
ああ、朝早くから夜遅くまで、勤めないことが決してあってはならない。
解説
旅獒篇の結びに近い一句で、この後に「細行を矜まずんば、終に大徳を累はさん。山を為ること九仞、功一簣に虧く」という有名な句が続く。朝から晩まで怠らず勤めよという言葉は、小さな行いの積み重ねこそが大きな徳を支え、最後のひと籠の土を怠れば九仞の山も完成しないという教えへの前置きとなっている。召公が勝利の直後の武王に向けてこれを説いたことに意味があり、事が成った時こそ緩みやすいという戒めである。大きな成果を上げた後も、日々の務めを変わらず続けることが、積み上げたものを守る唯一の道であることを教える。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
関連する章句
-
尚書・旅獒細行を矜まざれば、終に大徳を累わす。山を為ること九仞、功を一簣に虧く。
-
尚書・旅獒允に茲を迪(ふ)まば、生民厥の居を保ち、惟れ乃ち世々王たらん。」
-
尚書・旅獒惟れ商に克ち、遂に道を九夷八蛮に通ず。西旅厥の獒(がう)を厎(いた)し貢ぐ。太保乃ち『旅獒』を作り、用て王を訓ふ。曰く、「嗚呼(ああ)、明王徳を慎めば、四夷咸賓す。遠邇有る無く、畢く方物を献ずるも、惟れ服食器用のみ。王乃ち徳の致すものを異姓の邦に昭らかにし、厥の服を替(す)てしむる無し。宝玉を伯叔の国に分かち、時れ庸て親を展(あつ)くす。人物を易(あなど)らず、惟れ徳其れ物とす。徳盛んなれば狎侮せず。君子を狎侮すれば、以て人の心を尽くさしむる罔し。小人を狎侮すれば、以て其の力を尽くさしむる罔し。耳目に役せられずんば、百度惟れ貞しく、
-
尚書・旅獒犬馬其の土性に非ざれば畜はず。珍禽奇獣、国に育はず。
-
尚書・旅獒無益を作して有益を害せざれば、功乃ち成る。異物を貴んで用物を賤しめざれば、民乃ち足る。
-
尚書・旅獒志は道を以て寧んじ、言は道を以て接す。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る