尚書 / 旅獒
犬馬非其土性不畜;珍禽奇獸,不育于國。
新字:犬馬非其土性不畜;珍禽奇獣,不育于国。
書き下し
犬馬其の土性に非ざれば畜はず。珍禽奇獣、国に育はず。
現代語訳
犬や馬でもその土地の性質に合わないものは飼わない。珍しい鳥や奇妙な獣は、国の中で養わない。
解説
旅獒篇で召公が武王に示した戒めの一つである。直前の「無益を作して有益を害せざれば、功乃ち成る。異物を貴びて用物を賤しまざれば、民乃ち足る」を受け、その土地の風土に合わない犬馬は飼わず、珍しい鳥獣を国内で養わないよう説く。西旅が献上した大きな猟犬そのものを婉曲に退ける言葉でもあり、君主が珍奇な物を好めば、それを献上して取り入ろうとする者が現れ、民の負担も増えるという警戒がこめられている。実用を離れた珍しいものへの執着が組織を歪めるという指摘は、目新しい道具や見栄えのよい施策に飛びつきがちな今の職場にも当てはまる。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
関連する章句
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尚書・旅獒惟れ商に克ち、遂に道を九夷八蛮に通ず。西旅厥の獒(がう)を厎(いた)し貢ぐ。太保乃ち『旅獒』を作り、用て王を訓ふ。曰く、「嗚呼(ああ)、明王徳を慎めば、四夷咸賓す。遠邇有る無く、畢く方物を献ずるも、惟れ服食器用のみ。王乃ち徳の致すものを異姓の邦に昭らかにし、厥の服を替(す)てしむる無し。宝玉を伯叔の国に分かち、時れ庸て親を展(あつ)くす。人物を易(あなど)らず、惟れ徳其れ物とす。徳盛んなれば狎侮せず。君子を狎侮すれば、以て人の心を尽くさしむる罔し。小人を狎侮すれば、以て其の力を尽くさしむる罔し。耳目に役せられずんば、百度惟れ貞しく、
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尚書・旅獒無益を作して有益を害せざれば、功乃ち成る。異物を貴んで用物を賤しめざれば、民乃ち足る。
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尚書・旅獒遠物を宝とせざれば、則ち遠人格る。宝とする所は惟れ賢なれば、則ち邇人安んず。
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尚書・旅獒允に茲を迪(ふ)まば、生民厥の居を保ち、惟れ乃ち世々王たらん。」
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尚書・旅獒嗚呼(ああ)、夙夜或いは勤めざること罔かれ、
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尚書・旅獒人を玩べば徳を喪い、物を玩べば志を喪う。
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