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尚書 / 旅獒

犬馬非其土性不畜;珍禽奇獸,不育于國。

新字:犬馬非其土性不畜;珍禽奇獣,不育于国。

書き下し

犬馬其の土性に非ざれば畜はず。珍禽奇獣、国に育はず。

現代語訳

犬や馬でもその土地の性質に合わないものは飼わない。珍しい鳥や奇妙な獣は、国の中で養わない。

解説

旅獒篇で召公が武王に示した戒めの一つである。直前の「無益を作して有益を害せざれば、功乃ち成る。異物を貴びて用物を賤しまざれば、民乃ち足る」を受け、その土地の風土に合わない犬馬は飼わず、珍しい鳥獣を国内で養わないよう説く。西旅が献上した大きな猟犬そのものを婉曲に退ける言葉でもあり、君主が珍奇な物を好めば、それを献上して取り入ろうとする者が現れ、民の負担も増えるという警戒がこめられている。実用を離れた珍しいものへの執着が組織を歪めるという指摘は、目新しい道具や見栄えのよい施策に飛びつきがちな今の職場にも当てはまる。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。

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