尚書 / 說命下
王曰:「來!汝說。臺小子舊學于甘盤,既乃遯于荒野,入宅于河。自河徂亳,暨厥終罔顯。爾惟訓于朕志。若作酒醴,爾惟麴糵;若作和羹,爾惟鹽梅。爾交修予,罔予棄,予惟克邁乃訓。」說曰:「王!
新字:王曰:「来!汝説。台小子旧学于甘盤,既乃遯于荒野,入宅于河。自河徂亳,暨厥終罔顕。爾惟訓于朕志。若作酒醴,爾惟麴糵;若作和羹,爾惟塩梅。爾交修予,罔予棄,予惟克邁乃訓。」説曰:「王!
書き下し
王曰く、「来れ、汝説。台(われ)小子旧(もと)甘盤に学び、既にして乃ち荒野に遯(のが)れ、入りて河に宅(を)る。河より亳に徂き、厥の終はりに暨(およ)ぶまで顕らかなる罔し。爾惟れ朕が志を訓(をし)へよ。若し酒醴を作らば、爾惟れ麴糵(きくげつ)なり。若し和羹を作らば、爾惟れ塩梅なり。爾交々予を修め、予を棄つる罔かれ、予惟れ克く乃の訓に邁(すす)まん。」説曰く、「王よ、
現代語訳
王は言った。「来たれ、説よ。私は若いころ甘盤(かんばん、殷の賢臣)に学んだが、やがて荒野に逃れ、黄河のほとりに住んだ。黄河から亳(はく、殷の都)に移ったが、結局学問が明らかになることはなかった。そなたは私の志を教え導いてくれ。酒や甘酒を造るとすれば、そなたは麹(こうじ)である。吸い物を調えるとすれば、そなたは塩と梅(酢)である。そなたはあれこれと私を修め正し、私を見捨ててくれるな。私はそなたの教えに従って進んでいこう。」傅説は言った。「王よ、
解説
說命下篇の冒頭で、武丁が傅説に改めて教えを請う言葉である。若い頃に学問が中断し、ついに身につかなかったと率直に認め、酒を造るなら麹、吸い物を作るなら塩梅だと傅説をたとえる。「塩梅」の語は味の加減から転じて、政治をほどよく調える宰相の働きを指す言葉となり、日本語の「あんばい」の由来としても知られる。自分の未熟さを認めたうえで、欠かせない役割を相手に託す言い方は、上の者が部下や相談役に信頼を示す手本となる。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
関連する章句
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尚書・說命下昔先正保衡、我が先王を作(おこ)し、乃ち曰く、『予厥の後をして惟れ堯・舜たらしむる克はずんば、其の心愧恥すること、市に撻(むちう)たるるが若し』と。一夫も獲ざれば、則ち曰く、『時れ予の辜なり』と。我が烈祖を佑け、皇天に格(いた)る。爾尚はくは明らかに予を保ち、阿衡をして、専ら美を有商に有たしむる罔かれ。后は賢に非ざれば乂(をさ)まらず、賢は后に非ざれば食まず。其れ爾克く乃の辟を先王に紹(つ)がしめ、永く民を綏んぜよ。」説拝して稽首して曰く、「敢て天子の休命に対揚せん。」
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尚書・說命上王憂に宅(を)ること亮陰三祀。既に喪を免るるも、其れ惟れ言はず。群臣咸王を諫めて曰く、「嗚呼(ああ)、之を知るを明哲と曰ひ、明哲は実に則を作す。天子惟れ万邦に君たり、百官式を承く。王言ふを惟れ命と作す、言はずんば、臣下令を稟(う)くる攸罔し。」王庸(もつ)て書を作りて以て誥げて曰く、「台(われ)を以て四方を正さしむ、惟れ徳の類せざるを恐る、茲の故に言はず。恭黙して道を思ふに、帝予に良弼を賚(たま)ふを夢む、其れ予に代はりて言はしめん。」乃ち厥の象を審らかにし、形を以て旁く天下に求めしむ。説傅巌の野に築く、惟れ肖たり。爰に立てて相と作し、王諸を其の左右に置く。之に命じて曰く、「朝夕誨を納れ、以て台の徳を輔けよ。
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尚書・說命下厥の徳修まりて覚ゆる罔し。先王の成憲に監(かんが)みれば、其れ永く愆(あやま)ち無からん。惟れ説式て克く欽み承け、旁く俊乂(しゅんがい)を招きて、庶位に列せん。」王曰く、「嗚呼(ああ)、説よ。四海の内、咸朕が徳を仰ぐは、時れ乃の風なり。
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尚書・說命中惟れ説百官を総ぶるを命ぜられ、乃ち王に進みて曰く、「嗚呼(ああ)、明王天道を奉じ若(したが)ひ、邦を建て都を設け、后王君公を樹て、承くるに大夫師長を以てす。惟れ逸豫の為ならず、惟れ以て民を乱(をさ)めんとなり。惟れ天は聡明なり、惟れ聖は時れ憲(のっと)り、惟れ臣は欽み若ひ、惟れ民は従ひて乂(をさ)まる。惟れ口は羞を起こし、惟れ甲冑は戎を起こす。惟れ衣裳は笥に在り、惟れ干戈は厥の躬を省みる。王惟れ茲を戒め、允に茲に克く明らかなれば、乃ち休(よ)からざる罔し。
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尚書・說命中惟れ厥の居る攸にして、政事惟れ醇なり。祭祀に黷(けが)るる、時れ欽まずと謂ふ。礼煩はしければ則ち乱れ、神に事ふること則ち難し。」王曰く、「旨(うま)いかな。説乃の言惟れ服せん。乃言に良からずんば、予行ひに聞く罔からん。」説拝して稽首して曰く、
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尚書・說命上若し跣(はだし)にして地を視ずんば、厥の足用て傷つかん。惟れ乃の僚と暨に、同心ならざる罔く、以て乃の辟(きみ)を匡せ。先王に率ひ、我が高后を迪み、以て兆民を康んぜしめよ。嗚呼(ああ)、予が時の命を欽み、其れ惟れ終はり有れ。」説王に復して曰く、
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