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新序 / 義勇第八

齊崔杼弑莊公也,有陳不占者,聞君難,將赴之,比去,餐則失匕,上車失軾。御者曰:「怯如是,去有益乎?」不占曰:「死君,義也;無勇,私也。不以私害公。」遂往,聞戰鬭之聲,恐駭而死。人曰:「不占可謂仁者之勇也。」

新字:斉崔杼弑荘公也,有陳不占者,聞君難,将赴之,比去,餐則失匕,上車失軾。御者曰:「怯如是,去有益乎?」不占曰:「死君,義也;無勇,私也。不以私害公。」遂往,聞戦闘之声,恐駭而死。人曰:「不占可謂仁者之勇也。」

書き下し

齊の崔杼莊公を弑するや、陳不占なる者有り。君の難を聞き、將に之に赴かんとす。去るに比び、餐すれば則ち匕を失い、車に上れば軾を失う。御者曰く、怯なること是くの如し。去くも益有らんや、と。不占曰く、君に死するは、義なり。勇無きは、私なり。私を以て公を害せず、と。遂に往く。戰鬭の聲を聞き、恐駭して死す。人曰く、不占は仁者の勇と謂う可きなり、と。

現代語訳

斉の崔杼が荘公を弑したとき、陳不占という者がいた。君の難を聞き、そこへ赴こうとした。出かける段になって、食事をすれば匙を落とし、車に乗れば手すりをつかみそこねた。御者は言った。「これほど臆病では、行っても益があるのか」。不占は言った。「君に死ぬのは、義である。勇がないのは、私のことだ。私によって公を害さない」。そのまま行った。戦いの声を聞いて、恐怖のあまり死んだ。人は言った。「不占は仁者の勇というべきである」。

解説

百三字。前の章と同じ理屈が、もっと極端な形で出てきます。匙を落とし、手すりをつかみそこねるほど震えていました。御者に止められての答えが同じです。勇がないのは、私のことだ。私によって公を害さない。そして、戦場に着く前に音だけで死にました。何もできていません。それでも評は変わりませんでした。不占は仁者の勇というべきである。向かったかどうかで測られています。

この章句が説くこと

君の難を聞き将に之に赴かんとす餐すれば則ち匕を失い車に上れば軾を失う君に死するは義なり勇無きは私なり私を以て公を害せず戦闘の声を聞き恐駭して死す不占は仁者の勇と謂う可きなり恐れ公私

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