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新序 / 刺奢第六

桀作瑶臺,罷民力,殫民財,為酒池糟隄縱靡靡之樂,一鼓而牛飲者三千人,羣臣相持歌曰:「江水沛沛兮,舟楫敗兮,我王廢兮,趣歸薄兮,薄亦大兮。」又曰:「樂兮樂兮,四牡蹻兮,六轡沃兮,去不善而從善,何不樂兮?」伊尹知天命之至,舉觴而告桀曰:「君王不聽臣之言,亡無日矣。」桀拍然而作,啞然而笑曰:「子何妖言,吾有天下,如天之有日也,日有亡乎?日亡吾亦亡矣。」於是接履而趣,遂適湯,湯立為相。故伊尹去官入殷,殷王而夏亡。

新字:桀作瑶台,罷民力,殫民財,為酒池糟隄縦靡靡之楽,一鼓而牛飲者三千人,羣臣相持歌曰:「江水沛沛兮,舟楫敗兮,我王廃兮,趣帰薄兮,薄亦大兮。」又曰:「楽兮楽兮,四牡蹻兮,六轡沃兮,去不善而従善,何不楽兮?」伊尹知天命之至,舉觴而告桀曰:「君王不聴臣之言,亡無日矣。」桀拍然而作,啞然而笑曰:「子何妖言,吾有天下,如天之有日也,日有亡乎?日亡吾亦亡矣。」於是接履而趣,遂適湯,湯立為相。故伊尹去官入殷,殷王而夏亡。

書き下し

桀瑤臺を作り、民力を罷らし、民財を殫くす。酒池糟隄を爲り、靡靡の樂を縱にす。一たび鼓して牛飲する者三千人。羣臣相い持して歌いて曰く、江水沛沛たり、舟楫敗れたり、我が王廢れたり、趣きて薄に歸らん、薄も亦た大なり、と。又た曰く、樂しいかな樂しいかな、四牡蹻たり、六轡沃たり、不善を去りて善に從わば、何ぞ樂しからざらん、と。伊尹天命の至るを知り、觴を舉げて桀に吿げて曰く、君王臣の言を聽かずんば、亡ぶること日無からん、と。桀拍然として作ち、啞然として笑いて曰く、子何ぞ妖言する。吾に天下有るは、天に日有るが如きなり。日に亡ぶること有らんや。日亡べば吾も亦た亡びん、と。是に於いて履を接ぎて趨り、遂に湯に適く。湯立てて相と爲す。故に伊尹官を去りて殷に入り、殷王として夏亡ぶ。

現代語訳

桀は瑶台を作り、民の力を使い果たし、民の財を尽くした。酒の池と酒かすの堤を作り、みだらな音楽をほしいままにした。ひとたび太鼓を打てば牛のように飲む者が三千人。群臣は互いに手を取り合って歌った。「長江の水はとうとうと流れ、舟も櫂も壊れた、わが王は廃れた、急いで薄の地へ帰ろう、薄もまた大きい」。またこう歌った。「楽しいな楽しいな、四頭の牡馬は勇ましく、六本の手綱はつやつやしている、よくないものを去ってよいものに従えば、どうして楽しくないことがあろう」。伊尹は天命が至ったことを知り、杯を挙げて桀に告げた。「君王が臣の言葉を聞かれなければ、滅びるのに日数もかかりません」。桀はぱんと手を打って立ち上がり、あきれたように笑って言った。「そなたは何と不吉なことを言う。私に天下があるのは、天に日があるようなものだ。日が滅びることがあろうか。日が滅びれば私も滅びよう」。そこで伊尹は履を突っかけて走り出し、そのまま湯のもとへ行った。湯は立てて宰相とした。だから伊尹が官を去って殷に入り、殷が王となって夏は滅んだ。

解説

刺奢篇の冒頭です。臣下たちが歌っている内容が、すでに答えでした。わが王は廃れた、急いで薄の地へ帰ろう。薄は湯の本拠です。歌の形で亡命が語られています。伊尹の警告に対する桀の返しが、この巻ぜんぶの型になります。私に天下があるのは、天に日があるようなものだ。自分の位置を、動かないものに喩える。その直後の一行が短い。そこで伊尹は履を突っかけて走り出し、そのまま湯のもとへ行った。

この章句が説くこと

桀瑤台を作り民力を罷らし民財を殫くす我が王廃れたり趣きて薄に帰らん君王臣の言を聴かずんば亡ぶること日無からん吾に天下有るは天に日有るが如きなり日に亡ぶること有らんや奢侈慢心

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