呻吟語 / 外篇・詞章・此の語の外は皆な亂道の談
三曰是非語。為善者為君子,為惡者為小人,以勸賢者。四曰利害語。作善降之百祥,作不善降之百殃,以策眾人。五曰權變語。托詞畫策以應務。六曰威令語。五刑以防淫。七曰無奈語。五兵以禁亂。此語之外,皆亂道之談也,學者之所務辨也。
新字:三曰是非語。為善者為君子,為悪者為小人,以勧賢者。四曰利害語。作善降之百祥,作不善降之百殃,以策眾人。五曰権変語。托詞画策以応務。六曰威令語。五刑以防淫。七曰無奈語。五兵以禁乱。此語之外,皆乱道之談也,学者之所務弁也。
書き下し
三に曰く是非語。善を為す者を君子と為し、惡を為す者を小人と為し、以て賢者を勸む。四に曰く利害語。善を作せば之に百祥を降し、不善を作せば之に百殃を降し、以て眾人を策む。五に曰く權變語。詞に托し策を畫して以て務めに應ず。六に曰く威令語。五刑以て淫を防ぐ。七に曰く無奈語。五兵以て亂を禁ず。此の語の外は、皆な亂道の談なり。學者の辨ずるを務むる所なり。
現代語訳
三つは是非の語。善をなす者を君子とし悪をなす者を小人として、賢い者を励まします。四つは利害の語。善をなせば百の吉祥を降し、善からぬことをなせば百の災いを降すとして、大勢の人を促します。五つは権変の語。言葉に託し策を立てて務めに応じます。六つは威令の語。五つの刑で乱れを防ぎます。七つは無奈の語。五つの武器で乱を禁じます。この語のほかは、みな道を乱す話です。学ぶ者が見分けるべきところです。
解説
残る五種類を示します。是非の語は賢者を、利害の語は大勢を動かします。権変の語は実務に応じ、威令の語は刑で防ぎ、無奈の語は武力で禁じます。下るほど手段が強くなり、相手の自発性が減ります。そして七つ以外は道を乱す話だと切られます。読むものを選り分ける基準として、はっきりした線が引かれた一段です。読むものを選り分ける線が、はっきり引かれます。
この章句が説くこと
是非利害権変威令無奈
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