呻吟語 / 外篇・詞章・經に據るは理に據るに如かず
議論之家,旁引根據,然而,據傳莫如據經,據經莫如據理。
新字:議論之家,旁引根拠,然而,拠伝莫如拠経,拠経莫如拠理。
書き下し
議論の家は、旁く引き根據す。然り而して、傳に據るは經に據るに如かず、經に據るは理に據るに如かず。
現代語訳
議論をする者は広く引いて根拠とします。しかし、注釈に拠るのは経に拠るのに及ばず、経に拠るのは理に拠るのに及びません。
解説
根拠の強さを三段に並べます。注釈より経、経より理。経典を最上に置かないのが要点で、理が最も上とされます。経も理を写したものだからでしょう。前に出てきた、文は道を載せるものだという段と同じ立場です。権威に拠るのではなく、筋が通っているかどうかを最後の拠り所とする姿勢が、詞章篇の議論の作法として示されています。
この章句が説くこと
根拠伝経理三段
関連する章句
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『呻吟語』内篇・應務・理を推して是れ視る時勢を以て理を低昂する者は、眾人なり。理を以て時勢を低昂する者は、賢人なり。理を推して是れ視、低昂する所無き者は、聖人なり。
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『呻吟語』外篇・品藻・惟だ其の理のみ勢の為す可からずして猶ほ之を為す者有るは、惟だ其の理のみ。此を知らば則ち三仁は五臣と事功を比す可く、孔子は堯・舜と政治を較ぶ可し。
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『呻吟語』内篇・談道・勢は帝王の權、理は聖人の權公卿朝に爭議するに、天子に命有りと曰へば、則ち屏然として敢へて屈直せず。師儒學に相辯ずるに、孔子に言有りと曰へば、則ち寂然として敢へて異同せず。故に天地の間、惟だ理と勢とを最尊と為す。然りと雖も、理は又尊の尊なり。廟堂の上に理を言へば、則ち天子も勢を以て相奪ふを得ず。即し相奪ふとも、理は則ち常に天下萬世に伸ぶ。故に勢は、帝王の權なり。理は、聖人の權なり。帝王に聖人の理無くんば、則ち其の權時有りて屈す。然らば則ち理なる者は、又勢の恃みて以て存亡を為す所なり。莫大の權を以て僭竊の禁無し。此れ儒者の辭せずして敢へて斯道の南面に任ずる所以なり。
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『呻吟語』内篇・談道・理一にして氣・勢・利は三なり先天は、理のみ。後天は、氣のみ。天下は、勢のみ。人情は、利のみ。理は一にして、氣・勢・利は三なり。勝負知る可し。
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『呻吟語』内篇・應務・理を貶せず、又た人を駭かさず君子の事に處するに真見有るも、遽かに行はざるなり。又た眾見を驗し、眾情を察し、諸を理に協へて協ひ、諸を眾情・眾見に協へて協へば、則ち斷じて以て必ず行ふ。果たして理は當然にして、眾情・眾見の協はざるや、又た委曲して以て吾が理を行ふ。既に理を貶せず、又た人を駭かさず。此れを之れ理術と謂ふ。噫、惟だ聖人のみ之を能くす。獵較の類是れなり。
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『正法眼蔵随聞記』巻二法語等を書くにも、文章におほせて書んとし、韻声差へば礙へられなんとするは知りたる咎なり、語言文章はいかにもあれ、思ふ儘の理を順々と書きたらんは、後来も文はわろしと思ふとも、理だにも聞わたらば、道のためには大切なり、余の才学も斯くの如し、