呻吟語 / 外篇・廣喻・虎を養ひて豺狼を除く
服砒霜巴豆者,豈不得腸胃一時之快?而留毒五臟,以賊元氣,病者暗受而不知也。養虎以除豺狼,豺狼盡而虎將何食哉?主人亦可寒心矣。是故梁冀去而五侯來,宦官滅而董卓起。
新字:服砒霜巴豆者,豈不得腸胃一時之快?而留毒五臓,以賊元気,病者暗受而不知也。養虎以除豺狼,豺狼尽而虎将何食哉?主人亦可寒心矣。是故梁冀去而五侯来,宦官滅而董卓起。
書き下し
砒霜巴豆を服する者は、豈に腸胃一時の快を得ざらんや。而れども毒を五臟に留め、以て元氣を賊ふ。病む者は暗かに受けて知らざるなり。虎を養ひて以て豺狼を除かば、豺狼盡きて虎將に何をか食らはんとす。主人も亦た寒心す可し。是の故に梁冀去りて五侯來たり、宦官滅びて董卓起こる。
現代語訳
砒素や巴豆を飲む者は、腸や胃に一時の快さを得ないでしょうか。しかし毒を五臓に残し、元の気を損ないます。病む者は知らないうちにそれを受けています。虎を養って豺や狼を除けば、豺や狼が尽きた後に虎は何を食うのでしょうか。主人も背筋が寒くなるはずです。だから梁冀が去って五侯が来、宦官が滅んで董卓が起こりました。
解説
強い薬と強い味方を、同じ構図で扱います。砒素や巴豆は一時の快さの代わりに毒を残し、虎は豺狼を除いた後に食うものを探します。どちらも問題を解いた後に新しい問題を作ります。そして後漢の実例が二つ挙げられます。梁冀の後に五侯、宦官の後に董卓。除いた後に来るものを考えよ、という一段です。除いた後に来るものを考えよ、という一段です。後漢の実例が二つ、証拠として添えられています。
この章句が説くこと
砒霜虎後始末梁冀董卓
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