呻吟語 / 外篇・廣喻・火斷えざる時
不怕炊不熟,只愁斷了火。火不斷時,煉金煮砂可使為水作泥。而今冷灶清鍋,卻恁空忙作甚?
新字:不怕炊不熟,只愁断了火。火不断時,煉金煮砂可使為水作泥。而今冷灶清鍋,却恁空忙作甚?
書き下し
炊きて熟せざるを怕れず、只だ火を斷ちたるを愁ふ。火斷えざる時は、金を煉り砂を煮るも水と為し泥と作さしむ可し。而今冷灶清鍋、卻つて恁に空しく忙しくして甚をか作す。
現代語訳
炊いて煮えないことは恐れません。ただ火が絶えることを憂えます。火が絶えないなら、金を精錬し砂を煮て、水にも泥にもできます。今は冷たい竈と空の鍋で、それなのにこんなに空しく忙しくして何をしているのでしょうか。
解説
火が続いているかどうかを、唯一の条件とします。続いていれば金でも砂でも変えられるからです。時間がかかることは問題になりません。そして現状が突きつけられます。竈は冷たく鍋は空なのに、忙しくしている。火を絶やしたまま動き回っている姿です。続けることの重さを、炊事の比喩で示した一段になっています。続けることの重さを、炊事の比喩で示しています。
この章句が説くこと
火継続精錬冷竈空忙
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