呻吟語 / 内篇・應務・一たび火を動かせば種種都て濟らず
當急遽冗雜時,只不動火,則神有餘而不勞事,從容而就理。一動火,種種都不濟。
新字:当急遽冗雑時,只不動火,則神有余而不労事,従容而就理。一動火,種種都不済。
書き下し
急遽冗雜の時に當たりて、只だ火を動かさざれば、則ち神餘り有りて事を勞せず、從容として理に就く。一たび火を動かさば、種種都て濟らず。
現代語訳
差し迫って雑事が積み重なる時に、ただ怒りの火を立てなければ、精神に余りがあって事に疲れず、ゆったりと筋道に乗ります。ひとたび火を立てれば、何もかも成らなくなります。
解説
忙しさの中で守るべき一点を、怒らないことに絞ります。それだけで精神に余りが出て、事が筋道に乗る。逆に火を立てれば全部が崩れる。多くを求めず一つだけ挙げているので、実行しやすい形です。前に出てきた、急いで雑然としている時こそ火が育つという段の、対処の側を述べた一段になっています。多くを求めず一つだけ挙げるので、実行しやすい形です。
この章句が説くこと
多忙怒り余裕筋道一点
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