呻吟語 / 内篇・應務・此の中最も好く火を養ふ
衝繁地,頑鈍人,紛雜事,遲滯期,拂逆時,此中最好養火。若決裂憤激,悔不可言;耐得過時,有無限受用。
新字:衝繁地,頑鈍人,紛雑事,遅滞期,払逆時,此中最好養火。若決裂憤激,悔不可言;耐得過時,有無限受用。
書き下し
衝繁の地、頑鈍の人、紛雜の事、遲滯の期、拂逆の時、此の中最も好く火を養ふ。若し決裂憤激せば、悔い言ふ可からず。耐へ過ぐる時を得ば、無限の受用有り。
現代語訳
人の行き交う繁華な場所、頑固で鈍い人、入り乱れた事、進まない期日、意に逆らう時。こういう中では、最もよく怒りの火が育ちます。もし決裂して激しく憤れば、悔いは言い尽くせません。耐え過ごせた時には、限りない使いどころがあります。
解説
怒りが育ちやすい五つの状況を、あらかじめ名指しします。場所、人、事、期日、時。どれも自分では選べない条件ばかりです。だから来ることを前もって知っておけば身構えられます。そして決裂した場合と耐えた場合の差が示されます。悔いは言い尽くせず、耐えれば限りない使いどころがある。怒りの管理を、状況の予報として示した一段です。
この章句が説くこと
怒り状況予報忍耐決裂
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