呻吟語 / 外篇・廣喻・聖人の事を舉ぐるは、人の聽聞を駭かさず
天道漸則生,躐則殺。陰陽之氣皆以漸,故萬物長養而百化昌遂。冬燠則生氣散,夏寒則生氣收,皆躐也。故聖人舉事,不駭人聽聞。
新字:天道漸則生,躐則殺。陰陽之気皆以漸,故万物長養而百化昌遂。冬燠則生気散,夏寒則生気収,皆躐也。故聖人舉事,不駭人聴聞。
書き下し
天道は漸なれば則ち生じ、躐ゆれば則ち殺す。陰陽の氣は皆な漸を以てす。故に萬物長養して百化昌遂す。冬燠なれば則ち生氣散じ、夏寒ければ則ち生氣收まる。皆な躐ゆるなり。故に聖人の事を舉ぐるは、人の聽聞を駭かさず。
現代語訳
天の道は、じわじわ進めば生み、飛び越えれば殺します。陰陽の気はみなじわじわ進みます。だから万物が育ち、あらゆる変化が栄えます。冬が暖かければ生気は散り、夏が寒ければ生気は収まります。どちらも飛び越えです。だから聖人が事を起こすときは、人の耳目を驚かせません。
解説
じわじわ進むことを、ここでは生み育てる原理として扱います。前に出てきた漸は危険の側でしたが、こちらは恵みの側です。飛び越えれば殺すという対比が置かれ、暖冬と冷夏が例に挙げられます。どちらも季節が順を飛ばした状態です。そして聖人の振る舞いに重ねられます。驚かせないことが、天の道に沿うことになります。驚かせないことが、天の道に沿うことになります。
この章句が説くこと
漸躐暖冬冷夏順序驚かせない
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