呻吟語 / 外篇・天地・生氣は醇濃、殺氣は清爽
生氣醇濃渾濁,殺氣清爽澄澈;生氣牽戀優柔,殺氣果決脆斷;生氣寬平溫厚,殺氣峻隘涼薄。故春氣絪縕,萬物以生:夏氣薰蒸,萬物以長;秋氣嚴肅,萬物以入;冬氣閉藏,萬物以亡。
新字:生気醇濃渾濁,殺気清爽澄澈;生気牽恋優柔,殺気果決脆断;生気寛平温厚,殺気峻隘涼薄。故春気絪縕,万物以生:夏気薫蒸,万物以長;秋気厳粛,万物以入;冬気閉蔵,万物以亡。
書き下し
生氣は醇濃渾濁、殺氣は清爽澄澈なり。生氣は牽戀優柔、殺氣は果決脆斷なり。生氣は寬平溫厚、殺氣は峻隘涼薄なり。故に春氣は絪縕として、萬物以て生じ、夏氣は薰蒸として、萬物以て長じ、秋氣は嚴肅として、萬物以て入り、冬氣は閉藏して、萬物以て亡ぶ。
現代語訳
生かす気は濃く厚く濁り、殺す気は澄んで爽やかです。生かす気は引きずり柔らかく、殺す気は思い切りよく脆く断ち切ります。生かす気は寛やかで温かく厚く、殺す気は険しく狭く冷たく薄い。だから春の気はたちこめて万物が生まれ、夏の気は蒸して万物が育ち、秋の気は厳しく万物が収まり、冬の気は閉じ蔵して万物が滅びます。
解説
生かす気と殺す気を、三組の対で描き分けます。濃濁と清澄、優柔と果断、温厚と涼薄。面白いのは、澄んで爽やかで思い切りのよいほうが殺す側だという点です。ふつう美点とされる性質が、生かす働きを持たないとされている。人の性質にも当てはめれば、切れ味の良さの代価が見えてきます。切れ味の良さの代価が、ここで見えてきます。
この章句が説くこと
生殺濃淡果断四季代価
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