呻吟語 / 外篇・廣喻・其の一旦を咎む
千金之子非一日而貧也。日朘月削,損於平日而貧於一旦,不咎其積,而咎其一旦,愚也。是故君子重小損,矜細行,防微敝。
書き下し
千金の子は一日にして貧しからざるなり。日に朘り月に削り、平日に損して一旦に貧し。其の積を咎めずして、其の一旦を咎むるは、愚なり。是の故に君子は小損を重んじ、細行を矜み、微敝を防ぐ。
現代語訳
千金の家の子が、一日で貧しくなるのではありません。日ごとに削られ月ごとに減り、日ごろ損なって、ある日貧しくなります。その積み重ねを咎めず、その一日を咎めるのは愚かです。だから君子は小さな損を重く見、細かな行いを慎み、微かな傷みを防ぎます。
解説
破産を、一日の出来事として見る誤りを正します。日ごとの目減りが積もった結果だからです。そして咎める先が間違っていると言われます。目立つ一日ではなく、目立たない積み重ねのほうが原因です。だから君子は小さな損を重く見ます。前に出てきた、一旦とは千日の積だという段と同じ主張で、こちらは財の話として示されています。
この章句が説くこと
千金目減り積み重ね小損細行
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