呻吟語 / 内篇・修身・千日の積は一日の累に禁へず
德不怕難積,只怕易累。千日之積不禁一日之累,是故君子防所以累者。
新字:徳不怕難積,只怕易累。千日之積不禁一日之累,是故君子防所以累者。
書き下し
德は積むに難きを怕れず、只だ累ね易きを怕る。千日の積は一日の累に禁へず。是の故に君子は累ぬる所以の者を防ぐ。
現代語訳
徳は積むのが難しいことを恐れず、ただ傷がつきやすいことを恐れます。千日の積み重ねは、一日の傷に耐えられません。だから君子は、傷をつける元のほうを防ぎます。
解説
積むことと傷つくことの速さの違いを突きます。千日かけて積んだものが一日で崩れる。この非対称があるから、積む努力より傷を防ぐ用心のほうが優先されます。信用の話としてそのまま読める一段で、実績を増やすことより崩さないことに注意を向けさせます。防所以累者という言い方も要点で、傷そのものではなく原因を防げと言っています。信用を増やすより、崩さないほうが先だという順序です。
この章句が説くこと
徳積累信用崩壊予防
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