呻吟語 / 外篇・廣喻・一貫の說
鐘一鳴,而萬戶千門有耳者莫不入其聲,而聲非不足。使鐘鳴於百里無人之野,無一人聞之,而聲非有餘。鐘非人人分送其聲而使之入,人人非取足於鐘之聲以盈吾耳,此一貫之說也。
新字:鐘一鳴,而万戸千門有耳者莫不入其声,而声非不足。使鐘鳴於百里無人之野,無一人聞之,而声非有余。鐘非人人分送其声而使之入,人人非取足於鐘之声以盈吾耳,此一貫之説也。
書き下し
鐘一たび鳴らば、萬戶千門に耳有る者は其の聲を入れざる莫し。而して聲は足らざるに非ず。鐘をして百里無人の野に鳴らしめば、一人も之を聞く無し。而して聲は餘り有るに非ず。鐘は人人に其の聲を分送して之を入らしむるに非ず、人人は鐘の聲に足を取りて以て吾が耳を盈たすに非ず。此れ一貫の說なり。
現代語訳
鐘が一度鳴れば、万の戸と千の門で耳のある者はその音を受け取らないことがありません。それでも音が足りないわけではありません。鐘を百里の人無き野で鳴らせば、一人も聞く者がありません。それでも音が余るわけではありません。鐘は一人一人に音を分けて送り届けるのではなく、一人一人は鐘の音から取り分を得て耳を満たすのではありません。これが一貫の説です。
解説
一つの鐘の音が、何人に届いても減らないことを示します。万人が聞いても足りず、誰も聞かなくても余りません。分配ではないからです。そして孔子の一貫の説に結ばれます。一つの理が万事を貫くとは、こういう在り方だということでしょう。分けて配るのではなく、そのままで全体に及ぶという構図になっています。分けて配るのではなく、そのまま全体に及びます。
この章句が説くこと
鐘音不減分配でない一貫
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