呻吟語 / 外篇・廣喻・自ら輕重するのみ
擲發於地,雖烏獲不能使有聲;投核於石,雖童子不能使無聲。人豈能使我輕重哉?自輕重耳。
新字:擲発於地,雖烏獲不能使有声;投核於石,雖童子不能使無声。人豈能使我軽重哉?自軽重耳。
書き下し
發を地に擲つも、烏獲と雖も聲有らしむる能はず。核を石に投ずれば、童子と雖も聲無からしむる能はず。人豈に能く我を輕重せんや。自ら輕重するのみ。
現代語訳
髪の毛を地に投げれば、大力の烏獲でも音を立てさせられません。木の実の核を石に投げれば、子どもでも音を立てないようにはできません。人がどうして自分を軽くも重くもできるでしょうか。自分で軽重しているだけです。
解説
音の有無が、投げる者の力ではなく物自体で決まると示します。髪は誰が投げても音がせず、核は誰が投げても音がします。そこから人の評価に転じます。自分の軽重は他人が決めるのではなく、自分の質が決める。前に出てきた、名は実に伴うという議論と同じ主張が、物理の観察から導かれた一段です。自分の質が決めるという主張が、観察から出ます。
この章句が説くこと
髪核音軽重自分
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