呻吟語 / 外篇・廣喻・直だ衣履を愛するのみ
人未有過簷滴而不疾走,踐泥塗而不揭足者,此直愛衣履耳。
新字:人未有過簷滴而不疾走,践泥塗而不掲足者,此直愛衣履耳。
書き下し
人に未だ簷滴を過ぎて疾走せざる者有らず、泥塗を踐みて足を揭げざる者有らず。此れ直だ衣履を愛するのみ。
現代語訳
人で軒の雫の下を通って走らない者はなく、泥道を踏んで足を上げない者はありません。これはただ衣と履物を愛しているだけです。
解説
前の段に続けて、二つの例を加えます。軒の雫の下を走り抜け、泥道で足を上げる。どちらも衣と履物を守るための動きです。身体より外側のものにさえ、これだけ気を配っているわけです。段が進むごとに、守っている対象が自分から離れていきます。次の段で、その対比が本題として示されます。段が進むごとに、守る対象が自分から離れます。身体の外側にさえ、これだけ気を配っています。
この章句が説くこと
軒雫泥道衣履外側用心
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