呻吟語 / 外篇・物理・無臭は臭の母なり
薰香蕕臭,蕕固不可有,薰也是多了的,不如無臭。無臭者,臭之母也。
新字:薫香蕕臭,蕕固不可有,薫也是多了的,不如無臭。無臭者,臭之母也。
書き下し
薰は香く蕕は臭し。蕕は固より有る可からず。薰も也た是れ多かりし的なり。臭無きに如かず。臭無き者は、臭の母なり。
現代語訳
薫草は香り、蕕草は臭い。蕕草はもとより有ってはなりません。薫草も多すぎるものです。臭いが無いのに及びません。臭いが無いものは、臭いの母です。
解説
良い香りと悪い臭いを並べ、どちらも無いほうがよいとします。悪臭は当然として、良い香りも多すぎるものだ、と。そして臭いが無いことが臭いの母だと結ばれます。何も無い状態が、あらゆる香りの元だという考え方です。前に出てきた、無声無臭が天の篤恭だという段と同じ構図で、無こそが根源だとされています。何も無い状態が、あらゆる香りの元だとされます。
この章句が説くこと
薫蕕無臭母根源過剰
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