呻吟語 / 外篇・物理・物の飛鳴は何ぞ嘗て地を擇ばんや
鴟鴉,其本聲也如鵲鳩然,第其聲可憎,聞者以為不祥,每彈殺之。夫物之飛鳴,何嘗擇地哉?集屋鳴屋,集樹鳴樹。
新字:鴟鴉,其本声也如鵲鳩然,第其声可憎,聞者以為不祥,毎弾殺之。夫物之飛鳴,何嘗択地哉?集屋鳴屋,集樹鳴樹。
書き下し
鴟鴉は、其の本聲や鵲鳩の然るが如し。第だ其の聲憎む可く、聞く者以て不祥と為し、每に之を彈殺す。夫れ物の飛鳴は、何ぞ嘗て地を擇ばんや。屋に集まれば屋に鳴き、樹に集まれば樹に鳴く。
現代語訳
鴟や鴉は、その本来の声も鵲や鳩と同じようなものです。ただその声が憎らしく、聞く者は不吉だと考え、いつも弾き殺します。物が飛んで鳴くのに、どうして場所を選ぶでしょうか。屋根に集まれば屋根で鳴き、樹に集まれば樹で鳴くだけです。
解説
不吉とされる鳥の声を、物理の目で見直します。声そのものは鵲や鳩と変わらず、違うのは聞く側の印象だけです。そして鳥が場所を選んでいないことが示されます。屋根にいれば屋根で鳴く、それだけのこと。意味づけているのは人間の側だという指摘で、物理篇の冒頭にふさわしい一段になっています。意味づけているのは、人間の側だという指摘です。物理篇の冒頭にふさわしい、身近な観察になっています。
この章句が説くこと
鴟鴉声印象意味づけ無選択
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