呻吟語 / 外篇・人情・己の善を好み己の惡を惡む
好人之善,惡人之惡,不難於過甚。只是好己之善,惡己之惡,便不如此痛切。
新字:好人之善,悪人之悪,不難於過甚。只是好己之善,悪己之悪,便不如此痛切。
書き下し
人の善を好み、人の惡を惡むは、過甚に難からず。只だ是れ己の善を好み、己の惡を惡むは、便ち此の如く痛切ならず。
現代語訳
人の善を好み人の悪を憎むのは、行きすぎるほどでも難しくありません。ただ自分の善を好み自分の悪を憎むとなると、これほど痛切にはなりません。
解説
好悪の強さが、対象によって変わると示します。他人の善悪については、行きすぎるほど強く反応できます。自分の善悪については、同じ強さが出ません。前に出てきた、自分の好悪を疑うのは難しいという段と組になっていて、あちらは判断の話、こちらは感情の強さの話です。他人には鋭く自分には鈍いという構図が共通しています。
この章句が説くこと
好悪他人自分強さ鈍さ
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