呻吟語 / 外篇・人情・君子の律令
笞、杖、徙、流、死,此五者小人之律令也;禮、義、廉、恥,此四者君子之律令也。小人犯津令刑於有司,君子犯律令刑於公論。雖然,刑罰濫及,小人不懼,何也?非至當之刑也;毀謗交攻,君子不懼,何也?非至公之論也。
新字:笞、杖、徙、流、死,此五者小人之律令也;礼、義、廉、恥,此四者君子之律令也。小人犯津令刑於有司,君子犯律令刑於公論。雖然,刑罰濫及,小人不懼,何也?非至当之刑也;毀謗交攻,君子不懼,何也?非至公之論也。
書き下し
笞・杖・徙・流・死、此の五者は小人の律令なり。禮・義・廉・恥、此の四者は君子の律令なり。小人は律令を犯さば有司に刑せられ、君子は律令を犯さば公論に刑せらる。然りと雖も、刑罰濫りに及べば、小人懼れず。何ぞや。至當の刑に非ざればなり。毀謗交ごも攻むれば、君子懼れず。何ぞや。至公の論に非ざればなり。
現代語訳
笞と杖と徒刑と流刑と死刑、この五つは小人の法令です。礼と義と廉と恥、この四つは君子の法令です。小人は法令を犯せば役人に罰せられ、君子は法令を犯せば公の議論に罰せられます。とはいえ、刑罰がみだりに及べば小人は畏れません。なぜか。当を得た刑でないからです。そしりが次々に攻めれば君子は畏れません。なぜか。至って公な議論でないからです。
解説
二種類の人に、それぞれ別の法令を割り当てます。小人には五刑、君子には礼義廉恥。執行者も違い、役人と公論です。そして両方に同じ条件が付きます。当を得ていなければ効かない。刑がみだりなら小人は畏れず、そしりが公でなければ君子は畏れない。罰の効き目が正確さに懸かっているという、共通の原理が示されています。
この章句が説くこと
五刑礼義廉恥公論正確さ効き目
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