呻吟語 / 外篇・人情・厚道もて之を敦くす
任彼薄惡,而吾以厚道敦之,則薄惡者必愧感,而情好愈篤。若因其薄惡也,而亦以薄惡報之,則彼我同非,特分先後耳,畢竟何時解釋?此庸人之行,而君子不由也。
新字:任彼薄悪,而吾以厚道敦之,則薄悪者必愧感,而情好愈篤。若因其薄悪也,而亦以薄悪報之,則彼我同非,特分先後耳,畢竟何時解釈?此庸人之行,而君子不由也。
書き下し
彼の薄惡に任すも、吾厚道を以て之を敦くせば、則ち薄惡なる者は必ず愧感して、情好愈いよ篤し。若し其の薄惡に因りて、亦た薄惡を以て之に報いば、則ち彼我同じく非にして、特だ先後を分かつのみ。畢竟何れの時にか解釋せん。此れ庸人の行にして、君子の由らざるなり。
現代語訳
相手が薄情で悪くても、自分が厚い道でそれを厚くすれば、薄情で悪い者は必ず恥じ入って感じ、情と好みはいっそう篤くなります。もしその薄情と悪さを理由に、こちらも薄情と悪さで報いれば、彼も自分も同じく非であって、ただ先か後かの違いだけです。結局いつ解けるでしょうか。これは凡庸な人の行いで、君子は取りません。
解説
報復の連鎖を、同罪という一点で断ちます。相手の薄情を理由に薄情を返せば、先後の違いしかありません。きっかけを作ったかどうかは、非であることを免れさせないわけです。そして解ける時が来ないと問われます。対して厚くすれば相手が恥じて関係が深まる。損得としても厚いほうが得だと示されています。損得としても、厚いほうが得だと示されています。
この章句が説くこと
薄悪厚道同罪先後連鎖
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