呻吟語 / 外篇・治道・刻薄の見
既成德矣,而誦其童年之小失;既成功矣,而笑其往日之偶敗,皆刻薄之見也。君子不為。
新字:既成徳矣,而誦其童年之小失;既成功矣,而笑其往日之偶敗,皆刻薄之見也。君子不為。
書き下し
既に德を成せるに、其の童年の小失を誦す。既に功を成せるに、其の往日の偶敗を笑ふ。皆な刻薄の見なり。君子は為さず。
現代語訳
すでに徳を成した人に、その幼い頃の小さな失敗を言い立てる。すでに功を成した人に、その昔のたまたまの失敗を笑う。どちらも薄情な見方です。君子はしません。
解説
過去の失敗を持ち出す振る舞いを、薄情だと断じます。二つの例がどちらも、すでに達成した人に向けられているのが要点です。到達を認めず、過去に引き戻す行為だからです。前に出てきた、人は変わり得るという議論と裏表で、変わったことを認めない態度がここで名指されています。短く、日常に直結する戒めになっています。
この章句が説くこと
過去蒸し返し刻薄到達認める
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