呻吟語 / 外篇・人情・惟だ智者のみ多きを憂ふ
人皆知少之為憂,而不知多之為憂也。惟智者憂多。
書き下し
人皆な少なきの憂ひ為るを知りて、多きの憂ひ為るを知らざるなり。惟だ智者のみ多きを憂ふ。
現代語訳
人はみな少ないことが憂いになると知っていて、多いことが憂いになるとは知りません。ただ智恵ある者だけが多いことを憂えます。
解説
憂いの向きを、一般と智者で分けます。誰でも足りないことは憂えますが、多すぎることを憂える人は稀です。財も権も人も、多ければ多いほど良いと思われがちだからです。前に出てきた、満ちた勢いは自分から減らせという段と同じ立場で、こちらは気づく人の少なさという角度から述べられています。財も権も人も、多いほど良いと思われがちだからです。気づく人の少なさが、この段の要点になっています。
この章句が説くこと
多少憂い智者過剰気づき
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