呻吟語 / 外篇・人情・三利衢と四要路
世間有三利衢壞人心術,有四要路壞人氣質,當此地而不壞者,可謂定守矣。君門,士大夫之利衢也。公門,吏胥之利衢也。市門,商賈之利衢也。翰林、吏部、台、省,四要路也。
新字:世間有三利衢壊人心術,有四要路壊人気質,当此地而不壊者,可謂定守矣。君門,士大夫之利衢也。公門,吏胥之利衢也。市門,商賈之利衢也。翰林、吏部、台、省,四要路也。
書き下し
世間に三の利衢有りて人の心術を壞り、四の要路有りて人の氣質を壞る。此の地に當たりて壞れざる者は、定守と謂ふ可し。君門は、士大夫の利衢なり。公門は、吏胥の利衢なり。市門は、商賈の利衢なり。翰林・吏部・台・省は、四要路なり。
現代語訳
世の中に三つの利の大通りがあって人の心の働きを壊し、四つの要路があって人の気質を壊します。この場所にいて壊れない者は、定まった守りがあると言えます。君主の門は士大夫の利の大通りです。役所の門は下役の利の大通りです。市の門は商人の利の大通りです。翰林院、吏部、御史台、尚書省が四つの要路です。
解説
人が壊れる場所を、具体的に名指します。三つの利の大通りは、それぞれの身分にとっての稼ぎ場です。士大夫には君の門、下役には役所、商人には市。四つの要路は当時の花形の官職です。抽象的な誘惑ではなく、実在する場所として挙げられているのが特徴で、そこにいて壊れないことが守りの証しだとされます。そこにいて壊れないことが、守りの証しになります。
この章句が説くこと
利衢要路場所心術守り
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