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呻吟語 / 外篇・治道・苟恩の人

在上者當慎無名之賞。眾皆藉口以希恩,歲遂相沿為故事。故君子惡苟恩。苟恩之人,顧一時,巿小惠,徇無厭者之情,而財用之賊也。

新字:在上者当慎無名之賞。眾皆藉口以希恩,歳遂相沿為故事。故君子悪苟恩。苟恩之人,顧一時,巿小恵,徇無厭者之情,而財用之賊也。

書き下し

上に在る者は當に無名の賞を慎むべし。眾皆な口を藉りて以て恩を希ひ、歲遂に相ひ沿ひて故事と為る。故に君子は苟恩を惡む。苟恩の人は、一時を顧み、小惠を巿り、無厭者の情に徇ひて、財用の賊なり。

現代語訳

上に立つ者は名目の無い賞を慎むべきです。人々はみなそれを口実に恩を願い、年を追って受け継がれ慣例になります。だから君子はいいかげんな恩を憎みます。いいかげんな恩を施す人は、一時を顧み、小さな恵みを売り、飽きることの無い者の情に従い、財と用の賊です。

解説

名目の無い賞が、慣例に変わる過程を示します。一度出せば口実になり、年を追って当然になります。前に出てきた、優遇が代ごとに積み上がった郡守の話と同じ構図です。そしていいかげんな恩を施す人が四つの言葉で描かれます。一時しか見ず、小さな恵みを売り、際限の無い欲に従い、そして財の賊。善意が財政を蝕むという判定になっています。

この章句が説くこと

無名の賞慣例苟恩小恵財の賊

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